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更新日 2017-03-28 | 作成日 2008-01-31

12月の特集

会計について

決算の基本、特に損益計算書作成の4つの原則について

1.発生主義の原則
2.総額主義の原則
3.費用収益対応の原則
4.実現主義の原則

1.について
 要は、入金となった時に売上、出金した時に費用に計上するのではなく、あくまでも取引の発生時点で売上と費用を計上しようというものです。という事は、入金ベースとなれば入金が遅くなればなるほど遅くなり、支払も遅くなればなるほど遅くなり全く取引の状況が見えなくなるからです。

2.について
 仮に、売上と仕入があったとします。これを相殺して差額を売上としてしまうと、その売上に必要な原価が全く見えず、本来の取引が見えなくなってしまいます。従って、売上は売上げ、仕入は仕入としてあくまでも相殺してはならないとの意味です。

3.について
 正に費用収益対応の原則で、因果関係(相互関連性)を常に明らかにすべきであるとの意味です。

4.について
 いわゆる、1でいうところの意味をより厳格に把えていこうとの発想です。即ち、市場との場を通してより確実性や客観性を確保した後、経理処理をするというやり方です。例えば注文を受けて工場で作ったとしても、それが直接お客様のところに到着していなければ、工場で出来たからといって売上に計上してはいけないという事です。


 実際、売上の計上基準としては、出荷基準・引渡基準・検収基準と3つありますが、い
ずれか1つに決め、それを踏襲していく事が必要です。もちろん恣意性を廃除するためにも。


年末調整について

 今年からいよいよマイナンバーが施行されます。まず、控除対象配偶者、扶養親族(16歳未満も含む)共々にマイナンバーが必要です。16歳未満は申告書下段の「住民税に関する事項」に番号も記入してもらう事になっています。

 同居老親等を記入する欄も誤りが多いので、この欄で同居の場合は○印をつけてもらう事になっています。

 誤りの多い個所として、いわゆる所得の見積額欄は所得となっており、これはあくまでも収入金額ではなく必要経費控除後の金額であります。次に、子供が留学をしてしまっている場合は非居住者ですので例の海外居住者となり、親族関係図、送金関係書類が必要となります。

 障害者・寡婦も本人に聞きづらいが、確実に確認をとってください。障害者は障害者手帳があるのでコピーの提示をお願いしてください。


印紙税について

 印紙税も調査で結構調べられる案件です。まず、印紙税の対象となる文書というものが決められています。そして、文書名称よりも実際の取引内容に重点がおかれます。

 例えば、請求書に代済とか了とかを表示し、敢えて領収書を発行しない場合があります。その際は、この請求書そのものが領収書と見なし、そこに印紙を貼る必要があります。
 
 印紙への消印忘れが思わぬ税負担の増加を招く事があります。消印の仕方はその印紙に押印(割印)するのが正解です。他のやり方ではダメです。

 消費税が入ったところの金額と、そうでない場合で印紙の扱いも変わってきます。即ち、この金額は消費税がいくら入っているとの表示があれば、消費税の金額を除いたところの金額で見ます。分けていない場合は、消費税込みで印紙税の計算をされてしまいます。



11月の特集

会計について

中小会計要領は共通のモノサシだという事

●かつては、決算書も法人税寄りの決算書を作っていました。そこでは、正に税務署寄りの決算書でしたので本来の中小企業が知りたがっている損益重視のいわゆる「中小会計要領」に基づいてはいませんでした。

●即ち、次のような事柄が足りていませんでした。

1.貸倒損失・貸倒引当金は厳密に処理しなければならない。例えば、貸倒引当金なんかもそれこそ滞留債権があり、回収の可能性に問題があれば当然の事として貸倒引当金を計上して然るべきである。

2.棚卸資産・有価証券の評価をしなくてはならない。その際、利用される時価をどう算定するか。

3.固定資産への減価償却費は、それこそ会計に基づいて毎期計上すべきものなので、結果的には赤字創出となりかねない。即ち、税法は任意だか、期間対応との観点から毎期計上してしかるべきである。

4.払うべき金額が確定しているのであれば、事前に引当金を計上すべきである。例えば、人件費の一部である賞与引当金、退職引当金についても、やはり企業側として払うべきものとしての人件費である以上、同じく期間対応との観点から計上して然るべきものである。元々、課税所得を如何に算定するかの法人税と如何に正確に当期業績主義ないしは、期間計算を算出するかが会計なので以上のような違いが出てきます。


法務について

株主総会決議事項の登記申請時に平成28年10月から株主リストが必要となる

株主総会議事録を本人になりすまして役員になったり、本人の了解なしに役員就任してみたり、と不正が目立つようになりました。拠って、株主総会で決議が必要な事項の登記は株主リストが義務づけられました。では、このリストの記載事項はとなると以下の点があげられます。

①株主の氏名 ②住所 ③株式数 ④議決権数 ⑤議決権数割合 となっています。

●では、いつからとなりますと平成28年10月1日以降からとなっています。

●株主リストに記載する株主リストは以下の通り議決権数上位10名の株主か、議決権割合が2/3に達するまでの株主かのいずれか少ない方の株主であります。


税務・労務について

いわゆるパート収入と税金・社会保険のついて

●巷でよく聞く103万円という数字ですが、これは給料収入(所得ではない)を意味しております。所得税の話になりますが、例えば妻のパート収入が103万円以下であれば夫の配偶者控除が使われるという件です。中味を分析すると、この金額に対する必要経費が65万円でこれを差引くと38万円となり、いわゆる所得金額が38万円以下となるので、配偶者控除が使えるのです。

●さて住民税ですが、こちらは所得税とは別発想しており、自治体に拠っては、給料収入が100万円以下でも、住民税(均等割)がかかる場合もあります。

●次に141万円の話があります。例えば、妻のパート収入が103万円を超えたらどうなるかです。そこで141万円の数字が出てきます。要は、妻としては103万円を超えているので本人自身は所得税が出てきます。

では、夫の方はどうなるかというと、もちろん配偶者控除は使えなくなりますが配偶者特別控除という隠し玉がまだあります。これは、給料収入が103万円から141万円まで段階的に夫から所得控除できる分です。最高38万円から最低3万円までの所得控除分です。これには夫側に条件があり、夫の合計所得(給料収入ではない)が1,000万円以下などの一定条件があります。

●社会保険でいうところの130万円という数字ですが、仮に妻のパート収入が130万円を超えているとどうなるかです。社会保険の扶養からはずれる事になり別途、本人自身で社会保険料を支払う事になります。

●最後に、社会保険でいうところの新しい数字106万円。これは、28年10月1日以降から適用となり、従業員501人以上の企業ではパートタイマーでも月額8万8千円以上(つまり106万円)だと、夫の社会保険の被扶養者からはずれる事になります。


10月の特集

経営について

事業を評価する4つの着目点

今や、目まぐるしく世の中が変わる状況下、今までのやり方が今後も続けられるとは限らず、市場の要求するものとアンマッチが起きる可能性があります。そんな時、どこに目をつける必要があるか4つ程しぼってみました

①経営者へ着目する
まず、経営者自身のビジョン・経営理念を改めて明確に意義づけ、会社の芯となってきっちりと土台化しているかどうか。もちろん事業永続のための後継 者育成ができているかも含みます。

②事業へ着目する
当社にとって、何が強み弱みかを見極め、業界の中で自分の会社が置かれた状況がどの位置なのか等、立ち位置の確認ができているか。ビジネスモデル等、提供商品の市場性、そしてその商品を提供すべくサービスの内容等が充実しているかどうか。要は、消費者への接点が十分に確保されているかどうかです。

③関係者へ着目する
顧客リピート率の向上、従業員の定着率の向上、金融機関との十分な対話等はどうなっているかです。

④内部管理体制へ着目する
組織がシステマティックになっているかどうか。経営目標の共有状況・人事育成システムはどうなっているかです。

事業の特徴や強みをまずは書き出してみるのが第1ポイント

●経営者自身、改めて自分自身は何を目指して事業を起こしたのかを再確認し、経営理念と将来の目標をきっちりと見据えるようにする

●自社の事業は現実、今何で収益を上げているのか。それをどのような仕組みで現在、実現しているのか今一度振り返る

●自社を取り巻く環境を、ビジネス面でどれだけみているか。ビジネスチャンスはどこにあるのか常に検討してみる

●同族会社の場合、多くは内部管理体制が十分に機能していないので、月次業績の把握状況、そしてIT活用による経営の効率化がどの程度進んでいるか検討する事が大事です。


税務について

同族会社は会社は自分のもの、一心同体だとの意識が非常に強い。その発想の延長として、自分が出費した分は全部会社のために使ったものなので、会社の経費となってしかるべきとの思いが非常に強い。

だが、会社と社長とは全く別存在であり、しかも、会社は法律の下に作られた組織体であり、全て別のものである。社長は会社に雇われているのと同じ存在なので、社長の使った支出分が全て会社の必要経費になるという事はありません。

例えば、社長家族しかいない会社の慰安旅行などは必要経費にならないのは当然です。他の社長にまつわる経費も、会社にとって雇われの身分の人が、私的な支出をする事は、雇われ人が自分の身の回りの支出を混入する事が許されないのと同じである。いわば、一心同体の発想が私的費用の混入を招くのである。

当然の事として、その罰則はあり、その分社長への特別ボーナスのような扱いになり、法人税では費用にならず、かつ社長個人の源泉の対象になるとのしっぺ返しが当然に生じる事になります。


会計について

貸借対照表から資産の運用状態を見る

決算書(B/S、P/C)に表現されている利益についてよく経営者から質問を受けます。即ち、利益××百万円がでているのに何故その分の現預金がないのかと。まず、利益とは何か?から考えなければならない。利益金額とはある物が売れたならば、現預金の増加を伴わないのでも売上が計上される。

同様に、経費も実際に費消しても現預金は後から発生する事があり、これも同様に現預金の減少を伴わないで費用が計上される。一方、借入が発生した場合、売上でなくても借りてきた事で資金の流入がある。同様に借入の返済は費用の発生がなくても、現預金の流出はある。

このように、現預金の増減が伴わなくても利益(売上高-売上原価-販管費)金額は計上されています。よって、利益金額と現預金の有り高とは必ずしも因果関係は取り敢えずないと観ておく必要がある。

拠って、B/Sは財産の有様を表現し、P/Cは現金が伴わなくても売上は売上、経費は経費としてみるので、いわゆるP/Cは認識したものが集合したものとして表現されています。


9月の特集

会計について

今回はまず黒字経営の大切さについてお話ししましょう。

●一般的に赤字経営が続くと、資金繰りが苦しくなり企業の存続が危ぶまれます。会社を存続・発展させるためには黒字経営を志向し、資金を確保する事が大切です。

会社の資金を増加させる方法は下記の3点しかありません。

(1)融資
一般的には、金融機関からの借入れがあります。
この方法は資金が増加するとともに負債が増加します。つまり、いずれは利息を付けて返済しなければなりません。

また、中小企業を見る金融機関の眼も厳しくなっており、信用のおける会社でなければ融資を受けることが難しくなってきています。しかし、この方法は経営に介入されないというメリットもあります。

(2)新株を発行する
この方法による資金調達は返済義務がありません。
しかし、経営権を握られるかもしれないというリスクがあります。また、株主に利益の分配として配当をすることになります。

(3)利益を出す
利益を出して留保し自己資本とすれば純資産が増加し、その分資産(資金)も増加します。この方法は、返済義務もなく、経営権を握られることもありません。

「黒字だと法人税を納付しなければならないから損だ」と考える経営者も少なくありませんが、赤字は、赤字の分だけ確実に資金が社外に流出しています。

法人税を支払い、残った利益を留保することで会社の経営基盤を安定させることができるのです。


税務について

費用の計上は会社の利益に関係するため、税務調査において丁寧にチェックされるところです。特に短期前払費用は間違えやすいので注意しましょう。

●各事業年度の所得の計算上、損金の額に計上できる金額は下記のものです。

(1) その事業年度の売上原価や完成工事原価、その他これらに準ずる原価

(2) 販売費や一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で、その事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く)の額

(3) その事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの
つまり、販売費等で事業年度終了の日までに債務が確定していない費用については、その事業年度の損金に算入できないため、原則的には短期前払費用は損金に算入することはできません。

※「債務が確定している」とは
法人税法では、「事業年度において債務が確定している」とは、次に掲げる要件の全てに該当するものをいいます。

①決算期末までに、その費用に係る債務が成立していること
債務が成立しているとは、契約が成立していることをいいます。この契約は、書面を交わす必要はなく、口頭でも成立します。

②決算期末までに、その債務に基づいて具体的な給付原因の事実が発生していること
契約に基づいて、注文した物品の納品やサービスの提供を実際に受けて完了していることが必要です。

③決算期末までに、その金額が合理的に算定することができるものであること
納品された商品やサービスの代金が、期末までに確定し分かっていることです。

●短期前払費用とは、一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうちその事業年度終了の時においてまだ提供を受けていない役務に対応するもの(前払費用)のうち、その支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係る費用をいい、原則的には損金算入は認められませんが、その支払った金額を継続してその事業年度の損金に算入しているときは、支払った時点で損金に算入することが認められます。ただし、収益の計上と対応させる必要があるものについては、損金算入は認められません。

●損金算入が認められる・認められない例

【照会要旨】

当事者間の契約により、年1回3月決算の法人が次のような支払を継続的に行うこととしているものについては、法人税基本通達2-2-14((短期の前払費用))を適用し、その支払額の全額をその支払った日の属する事業年度において損金の額に算入して差し支えありませんか。

なお、次の事例1から5までの賃貸借取引は、法人税法第64条の2第3項に規定するリース取引には該当しません。

事例1:期間40年の土地賃借に係る賃料について、毎月月末に翌月分の地代月額1,000,000円を支払う。

事例2:期間20年の土地賃借に係る賃料について、毎年、地代年額(4月から翌年3月)241,620円を3月末に前払により支払う。

事例3:期間2年(延長可能)のオフィスビルフロアの賃借に係る賃料について、毎月月末に翌月分の家賃月額611,417円を支払う。

事例4:期間4年のシステム装置のリース料について、12ケ月分(4月から翌年3月)379,425円を3月下旬に支払う。

事例5:期間10年の建物賃借に係る賃料について、毎年、家賃年額(4月から翌年3月)1,000,000円を2月に前払により支払う。

【回答要旨】

・ 事例1から事例4までについては、照会意見のとおりで差し支えありません。

・ 事例5については、法人税基本通達2-2-14の適用が認められません
※支払時から1年を超える期間を対価支払の対象期間としているため損金算入は認められない

【参考】:国税庁 質疑応答事例 短期前払費用の取扱いについて


税務について

近年、外国人を雇用する機会が増えています。外国人の従業員であっても、支払われた給与に対しては給与所得として、所得税等が課税されることになるので、源泉徴収が必要になります。

●給与からの源泉徴収の取扱いはその外国人従業員が所得税法上の「居住者」か「非居住者」かによって異なります。
「居住者」とは、日本国内に住所(個人の生活の拠点)がある、又は現在まで引き続き1年以上居所(個人が、一定期間継続して居住する場所、ホテル等)を有する個人をいい、「居住者」に該当しない人が「非居住者」となります。さらに、「居住者」は「永住者」と
「非永住者」に区分されます。

「非永住者」とは、居住者のうち日本国籍がなく、かつ、過去10年間に日本国内に住所又は居所を有していた期間の合計が5年以下の外国人をいい、「非永住者」以外の人が永住者となります。

課税される所得と税率は下記の通りです。

【課税される所得と税率】

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※外国人の出身国と日本が租税条約を締結している場合、課税が免除されることもあります。


労務について

厚生年金保険料の引き上げについて

●厚生年金の保険料率と各従業員の標準報酬月額に改定があり、平成28年9月分から新たな標準報酬月額に新たな保険料率を乗じて算定することになります。

新たな保険料率は下記の通りです。

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8月の特集

経営について

今回はまず、平成28年7月1日より施行された「中小企業等経営強化法」についてお話ししましょう。

●「中小企業等経営強化法」は「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律」の一部を改正したもので、中小企業や小規模事業者等の生産性向上(経営力向上)を支援することを目的としています。

生産性向上のための事業計画を作成し、認定を受ければ、一定の条件を満たす機械装置等を新たに購入した場合に固定資産税が3年間1/2に軽減されるなどの支援措置を受けることができます。

●中小企業・小規模事業者等はまず、事業者が行うべき経営力向上のための取組み(商品・サービスの見直しのための顧客データの分析、ITを活用した財務管理の高度化、人材育成等)や優良事例を示した「事業分野別指針」に沿って「経営力向上計画」を作成し、認定を受けます。   

「経営力向上計画」には下記の事項を記載しなければなりません。

(1)経営力向上の目標

(2)経営力向上による経営の向上の程度を示す指標

(3)経営力向上の内容及び実施時期

(4)経営力向上を実施するために必要な資金の額及びその調達方法

(5)経営力向上設備等の種類

また、経営力向上計画作成には、認定支援機関である税理士等のサポートを受けましょう。

●認定を受けた事業者(認定事業者)は以下のような支援措置が受けられます。

【支援措置】

(1)認定を受けた中小企業者等(資本金1億円以下の企業など)が、一定の機械及び装置(注)を新規に取得した場合、3年間、固定資産税の課税標準が2分の1に軽減

(2)商工中金による低利融資

(3)中小企業信用保険法の特例

(4)食品流通構造改善機構による債務保証  等々

(注)適用となる「一定の機械及び装置」とは次の要件をいずれも満たすものです。

①強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づいて取得する新規の機械装置

②1台または1基の取得価額が160万円以上のもの

③販売開始から10年以内のもの

④旧モデルと比べて生産性(例えば、単位時間当たりの生産量、エネルギー効率など)が年平均1%以上向上するもの同法施行日から平成31年3月31日までの間に取得したものに適用できます。

また、同法施行日から平成28年12月末までに取得した設備は、同29年1月1日時点の所有する資産として申告され、同29年、30年、31年度の3年間、固定資産税が半減されます。


税務について

貸倒損失についてお話しします。

●売掛金や貸付金などの相手先が支払い不能な状況になり、回収できなくなった場合を「貸倒れ」といい、会計上、費用(損失)計上できますが、損失計上には恣意性が介入しやすく、利益操作に繋がる恐れがあるため、税務上は厳しい要件があります。

税務上、貸倒れが認められるのは以下のような場合です。

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●貸倒損失を計上する前に、下記の事項を確認し、これらに関する証拠書類をしっかりと保管しておきましょう。

(1)その債権は、いつ発生し、現在までの回収状況の確認

(2)債務者に対する督促、それに対する回答の確認

(3)債務者の経営状況および財務状況の確認

(4)法的な措置がとられているかの確認

また、利益が出ていないのにもかかわらず、取引先を救済するために債権を放棄した場合や、債権に回収可能性がある場合、回収の努力が足りてない状態で債権を放棄した場合には、税務上寄附金として取り扱われる場合があるので注意が必要です。

売掛金等の売掛債権が貸倒れた場合には、売掛金等に含まれる消費税額を控除しますが、その金額はその売掛金等が計上された時の税率で計算されます。

●貸倒れが発生すると自社の資金繰りにも悪影響を及ぼします。そのため貸倒れにならないためにも下記のようなことを実施しておきましょう。

(1)新規の取引先とは、少額の現金取引から開始する 新規の取引先とは、最初は小さな取引からはじめ、決済は現金にするのが良いでしょう。
 また、インターネットなどを利用し事前に会社の情報を確認しておきましょう。

(2)定期的に債権管理を行う
定期的に、請求漏れがないか、約束の支払期限を過ぎた債権はないかなどを確認します。 約束の支払期限を過ぎている場合は速やかに督促を行います。

(3)取引先の動向に気を付け、情報を共有する 日々の取引のなかで、人員の削減、取引条件の変更、社内の様子の変化など、危険な兆候に注意しましょう。 また、そのような情報を社内で共有できるようにしましょう。


会計について

売掛金・買掛金の管理についてお話ししましょう。

●売掛金をきちんと管理するには、まず、発生主義により商品を引き渡した時点で売上と売掛金を計上します。そして売上計上とともに得意先元帳等の補助簿を記帳します。

得意先元帳等を記帳する事により、得意先ごとの売掛金の発生、入金、残高などを確認することができます。 また、売掛金をきちんと管理することで、下記のような効果があります。

① 今後の入金(回収)予定がわかる
将来いつ、どこから、いくら入金があるかがわかるようになり、今後の資金繰りに役立ちます。

② 請求漏れなどのミスを防止できる
得意先ごとに、請求すべき金額が明確になり、請求漏れや誤った請求を防ぐことができます。

③ 回収漏れが発見しやすくなる
入金が遅れている売掛金を早期に発見でき、素早い対応が可能になります。

●買掛金管理も同様に、発生主義により商品が納品された時点で仕入と買掛金を計上します。そして仕入計上とともに仕入先元帳等の補助簿を記帳します。

仕入先元帳等を記帳する事により、仕入先ごとの買掛金の発生、出金、残高などを確認することができます。

また、買掛金をきちんと管理することで、下記のような効果があります。

① 今後の出金(支払)予定がわかる
将来いつ、どこに、いくら支払いがあるかがわかるようになり、今後の資金繰りに役立ちます。

② 二重請求等を防止できる
仕入先のミスにより売上が二重に計上されていたり、返品、値引きなどが反映されていないなど、誤った請求への支払いを防止することができます。

③ 取引先からの信用が上がる
いつ、どこに、いくら支払うかが明確になるので、支払いミスが減り取引先からの信用が上がります。



7月の特集

経営について

今回は、まず小規模事業者の売上増加要因についてお話ししましょう。

●中小企業庁が公表した全国約325万の小規模事業者の事業活動の実情を調査・分析した「2016年版小規模企業白書」によると、人材・資金に制約があり、商圏や取扱商品・サービスが限定され、その上、価格競争やリスク対応力が弱いと言われている小規模事業者であっても、(1)商圏の拡大、(2)ITの活用、(3)経営計画の作成などに取り組んだ事業者は、売上が拡大する可能性が十分にあると示唆しています。

(1)商圏の拡大
商圏の調査によると、小規模事業者の売上高のほとんどが同一都道府県内にとどまっており、その内訳は「同一市町村」が60.7%、「近隣市町村」が19.7%、「同一都道府県」が8.3%になっており、合わせると約90%になります。

 このように商圏が限定される小規模事業者ですが、商圏を拡大している事業者の約7割が売上高を増加している傾向があり、商圏拡大の取組みが売上高の増加に重要とされています。

 また、得意先や固定客がいる事業者も売上高が増加傾向にあります。

(2)ITの活用
 小規模事業者におけるITの活用状況は、「ホームページ」41.4%、「ブログ、ツイッター」25.6%、「電子メール、メルマガ」16.5%、「ネットでの受注、販売、予約」12.3%となっており、インターネットでの受注比率が高い事業者ほど、売上高が増加傾向にあります。

(3)経営計画の作成
 小規模事業者の53.0%が経営計画を作成しており、その効果については、「経営方針と目標が明確になった」が73.8%、「自社の強み・弱みを認識できた」が68.6%など肯定的な回答が7割になっています。

 また、経営計画を作成した事業者は、作成していない事業者よりも売上高が増加傾向にあるため、小規模事業者であっても経営計画の作成は重要であることが伺えます。


会計について

会社の現金の管理についてお話ししましょう。

●現金の管理は非常に重要です。なぜなら、現金は持ち運びが容易であり、記録や証拠が残りにくく、過不足が生じたり不正が起こりやすいため、その管理が適正に行われていれば税務調査などにおいてもその会社の会計上の仕組みが正しく機能していると判断されます。しかし、その管理がずさんで現金の帳簿残高と実際有高が著しく離れていると、売上の計上漏れや取引の記帳漏れがある可能性が高いと判断されてしまいます。

●日々の現金管理が適正に行われているかどうか以下の4点をチェックしましょう。

・日々の現金管理のポイント

(1)社長以外の現金の出納責任者が現金の受払いを行っているか
 社長個人のお金と会社のお金とを明確に区別し公私混同しないようにしましょう。

(2)小口現金制度を採用しているか
 あらかじめ一定の金額を預金から引き出し、会社の日常的な少額な経費などの精算をすることにより、現金有高の管理が容易になります。

(3)社内精算のルールを明確に定めているか
 交通費など社員が立替払いをした金額の清算はその都度行うのではなく、週1回決められた曜日に行うなど社内精算のルールを決めることで現金管理の繁雑さを省きます。

(4)日々の取引を記帳し、現金有高を確認しているか
 日々の取引はその日のうちに適正に記帳し、毎日、金種ごとに現金を数え、帳簿残高と実際有高が一致しているか確認しましょう。毎日確認することで帳簿残高と実際有高にズレがあった時の原因が究明し易くなります。

●現金は、精算や有高の確認などが日々あるため、経理処理上のミスや紛失のリスクが高まります。こうしたミスや紛失のリスクを減らすためにも銀行振込・振替やネットバンキング、法人用クレジットカードなどを活用しましょう。

 銀行振込・振替では、現金で支払う限度額を決め、その限度額を超える金額は、請求書を発行してもらい銀行振込で行います。また、公共料金の支払いなどは自動振替を有効に活用しましょう。

 ネットバンキングでは、金融機関に出向かずに残高照会や振込・支払いなどが休日や昼夜問わず出来るので便利です。ただし、パソコン等のセキュリティやパスワードの管理には注意が必要です。


労務について

7月1日~11日は社会保険の「被保険者報酬月額算定基礎届」(算定基礎届)の提出時期です。

●「算定基礎届」の提出(定時改定)には「標準報酬月額」の算出が必要です。この「標準報酬月額」を基に毎月の社会保険料は原則として年一度計算されます。

 この標準報酬月額の計算は、毎年7月1日現在の被保険者全員を対象(注1)に、4月、5月、6月に支払った報酬の平均額で計算されます。

 新しい保険料は9月分(10月納付分)から翌年8月分(9月納付分)まで適用されますが、途中で昇給等により給与等が大幅に変動したときは、「月額変更届」を提出し、標準報酬月額を改定します。(注2)これを随時改定といいます。

(注1)6月1日以降に入社した従業員、若しくは7月改定の「月額変更届」を提出する従業員を除く

(注2)昇給・降給等により、基本給などの固定的な賃金が変動し、変動後3ヵ月間の平均額から算出した「標準報酬月額」が、2段階以上変わった場合に行います。

●「標準報酬月額」算出の基になる報酬には、基本給はもちろん、各種手当、通勤手当(所得税の計算上は、一定の金額までは非課税)、現物給与などすべての報酬が含まれるので注意が必要です。

 また、現物給与は、年金事務所等から合算漏れを指摘されるケースが増えているので特に注意が必要です。

・報酬になるもの

【通貨によるもの】

①基本給(月給、週給、日給など)
②諸手当(残業手当、住宅手当、家族手当、役付手当、宿直手当、皆勤手当など)
③通勤手当
④年4回以上の賞与

【現物で支給されるもの】

①通勤定期券
②衣服(制服・作業服でないもの)
③社宅、寮
④自社製品
⑤食事

●現物給与として支給されるものが食事や住宅の場合には、「厚生労働省が定める現物給与の価額」に基づいて通貨に換算されます。

 なお、従業員自身がその一部を負担している場合には、現物給与の価額からその価額を差し引いた価額が現物給与の価額になります。

 ただし、従業員自身の負担額が現物給与価額の2/3以上の場合には、その食事の供与はないものとして取り扱われます。住宅の場合にはこの取り扱いはありません。

 また、現物給与として支給されるものが自社製品やその他食事・住宅以外のものを支給している場合には、原則として時価により換算されます。


6月の特集

会計について

今回は現代簿記の基礎である複式簿記の歴史についてお話ししましょう。

●現代において欠かすことのできない複式簿記は、中世のイタリアで発明され、数学者パチオリが出版した著書「スンマ」によってその仕組みが紹介され、広く普及しました。
 その仕組みは、まず「財産目録」を作り、次に「日記帳」「仕訳帳」「元帳」の帳簿にすべての取引内容を記帳するというものです。これはコンピューター入力によって記帳することが増えた現代においても変わることはありません。
 パチオリが解説した「財産目録」「日記帳」「仕訳帳」「元帳」とは下記の通りです。

(1)財産目録
所有するすべての財産を、貨幣、宝石、銀など流動性の高い物から順に記録。最終的には個人の所有物や不動産を記録する(流動・固定の配列の考え方がある)。

(2)日記帳
すべての取引について、何を、いつ、どこで、などの詳細を漏らさず記録する(記帳の網羅性)。

(3)仕訳帳
財産目録の項目を記入し、日記帳に記録された取引の詳細を、一つずつ整然と、借方と貸方のいずれにも記入する(借方・貸方の存在。複式と称される所似)。

(4)元帳
借方と貸方に区切られた頁に、仕訳帳の取引を一つ記入するごとに、元帳の2か所(借方と貸方)に記帳する。最後に元帳残高を試算表に移して、借方と貸方の合計が一致するか確かめる。

●ではなぜ複式簿記が普及したのでしょうか?それは下記のような利点があるからです。

(1)自分の間違いをチェックできる
試算表において借方と貸方が一致しているか確かめることができます。一致していなければ、金額の記帳ミスや取引の記帳漏れを発見することができます。

(2)取引を漏れなく記録できる
複式簿記の理路整然とした仕組みによって、取引を漏れなく記録できます。毎日、適切に記帳することで、商売に対する誠実さを表すことになります。

(3)商品ごと、事業ごとの利益が算出できる
商品ごと、事業ごとの利益を算出することができ、それにより商売の中で力を注ぐべきところとそうでないところを判断できたり、資産や負債の増減を把握することができます。


税務について

税務調査などでもよく問題になる「外注費」と「給与」についてお話ししましょう。

●外注費も給与もともに経費として処理しますがこの二つの取扱いには下記のような違いがあります。

・外注費と給与の取扱いの違い

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●業務委託契約に基づいて支払っている外注費であってもその実態が雇用契約による給与と判断されることもあるので注意が必要です。給与と判断されれば、所得税の源泉徴収も必要になり、また、消費税の仕入税額控除の対象にもなりません。
外注費になるか給与になるかの判断には下記のようなポイントがあります。  

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労務について

平成28年6月1日~7月11日は労働保険(雇用保険・労災保険)の年度更新です。

●労働保険の年度更新とは、前年度の保険料を清算するための確定保険料の申告・納付と新年度の概算保険料を納付するための申告・納付の手続きをいいます。

 労働保険の保険料は、毎年4月1日から翌3月31日まで(保険年度)の年度中に支払われた賃金総額に、その事業ごとの保険料率を乗じて計算されます。

・労働保険の年度更新のイメージ

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●計算対象となる賃金総額(税金・社会保険料等の控除前の支給総額)とは下記の通りです。

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●労災保険料の計算対象は、常用、パート・アルバイト、日雇労働者など全従業員の賃金が保険料の計算対象となりますが、雇用保険の計算対象からは、下記の従業員は除かれます。

・雇用保険料の計算対象とならない従業員

①1週間の所定労働時間が20時間未満であり、かつ、雇用見込みが31日未満の者

②学生アルバイト

③65歳以上で新たに雇用される者

④4か月以内の期間を定めて雇用される季節労働者

⑤1週間の労働時間が30時間未満の季節雇用者

●平成28年度の雇用保険料率が下記の通り引き下げられました

①失業等給付の保険料率を労働者負担・事業主負担とも0.1%ずつ引下げ

②雇用保険二事業の保険料率(事業主のみ負担)を0.05%ずつ引下げ これにより「一般の事業」の場合の雇用保険料率は、次のようになります。

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5月の特集

会計について

今回は消費税改正に備えて再確認したい帳簿の記載事項についてお話ししましょう。

●平成29年4月1日からの消費税率10%への引上げが行われた場合、軽減税率が導入されます。軽減税率制度とは、飲食料品及び新聞を現行税率の8%に据え置き、負担を軽減するものです。さらに、平成33年4月1日からはいわゆるインボイス方式の導入も予定されており、仕入税額控除の要件も厳格化されるため、これに対応するためにも現在の帳簿の記載事項に不備がないか再確認しましょう。

●消費税の仕入税額控除を受けるためには、「課税仕入等に係る帳簿及び(●●)請求書等の保存」が要件とされています。消費税導入当初は、帳簿又(●)は(●)請求書等のいずれか一方の保存でよかったのですが、平成9年4月1日以後は「又は」から「及び」に変更され、それらが保存されていない場合、仕入税額控除は受けられないことになっています。
 さらに、帳簿などを保存していても法定記載事項をすべて記載しないと仕入税額控除は受けられません。記載漏れがあると仕入税額控除が受けられず、納める消費税が増加します。さらに税務調査で指摘され、過去にさかのぼって更正となると、加算税や延滞税が課される事態にもなりかねません。
 仕入税額控除を受けるための帳簿の記載事項は下記の4点が必須要件となっています。

<帳簿の記載事項>
①課税仕入れの相手方の氏名又は名称
②課税仕入れを行った年月日(課税仕入れを行った年月日が異なる場合にはその日付も)
③課税仕入れに係る資産又は役務の内容
④課税仕入れに係る対価の額(税込み)

・①について
原則的にフルネームでの記載となります。ただし、正式名称及びそれらの略称が記載された取引先名簿で相手先が特定できる場合には、簡易的な記載でも差し支えありません。

・②について
商品の引渡しを受けた日又は役務の提供を受けた日となります。また、水道光熱費や電話料など一定の使用料については「〇年△月分」といった記載でよいとされています。

・③について
取引内容や商品名等を記載します。商品の一般的な総称でまとめて記載するなど、仕入税額控除を計算できる程度の記載で差し支えありません。

・④について
消費税込の金額になります。

過去には、課税仕入れの相手方の氏名又は名称、仕入れた資産の内容について、そのいずれかの記載しかなく、その課税仕入れが本当に行われたのかどうかを確認できる具体的な記載がなく、税務調査においてその帳簿書類を提出したのみで、その後も帳簿及び請求書等の提示が一切なかったため、結局仕入税額控除を受けられなかったケースもあります。そのため、帳簿の記載事項はしっかりと確認しましょう。

●仕入税額控除を受けるための記帳のポイントは下記通りです。

<仕入税額控除を受けるための記帳のポイント>
①取引先の請求書等の記載事項に漏れや不備がないかチェックする。
請求書等の記載事項は次の通りです。
・書類作成者の氏名又は名称
・取引年月日
・取引内容(「品代」などはダメです)
・取引金額(税込み)
・書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称(基本的に「上様」などはダメです)

②非課税取引あるいは不課税取引かどうか確認する。
課税商品、非課税商品、不課税商品を区分して記帳します。

③記載事項に不備のない請求書等を基に記帳する。

④日々正確に記帳する。
記帳は速やかに行いましょう。記帳が遅れると間違いや漏れが発生する可能性が高くなります。

●平成29年4月1日に予定されている消費税率の引上げと軽減税率の導入に伴い、平成29年4月1から平成33年3月31日までは前述の帳簿の記載事項4点に加えて「軽減対象課税資産の譲渡等である旨」の記載が必要になります。
 さらに平成33年4月1日からは現行の請求書等を保存する方式に変えてインボイス方式(適格請求書等保存方式)の導入が予定されています。

インボイス方式の導入による実務への影響には以下のような事が考えられます。

<インボイス方式の導入による実務への影響>
・登録を受けた課税事業者(適格請求書発行事業者)はインボイス(適格請求書又は適格簡易請求書)の交付・保存が義務づけられ、仕入税額控除を受けるためには、このインボイスとこれまでどおりの帳簿の保存が要件となります。

・請求書等の記載事項が9項目に増えます。
現行の5項目に追加される項目は以下のとおりです。
①軽減税率の対象品目である旨
②税率ごとに合計した対価の額
③適格請求書発行事業者の登録番号
④税率ごとに合計した消費税額

・課税仕入れの支払い対価の合計額が3万円未満である場合に帳簿の保存のみで仕入税額控除が認められる措置が廃止されます。
インボイス方式の導入で事務負担が軽減されるかのような印象がありますが、仕入税額控除の要件が厳格化され、より適正な事務処理が求められるようになります。


経営について

4月号では目標の経常利益の決め方をお話ししました。今回は目標の経常利益を達成するための具体策をお話ししましょう。

●売上高・限界利益率の見直し
商品の販売数量や平均単価を上げたり、既存商品の販売構成を見直して著しく限界利益の低い商品の販売を止める等、売上高や限界利益率を上げられないか検討してみましょう。

売上高・限界利益率を上げる具体策としては下記のようなものがあります。

<売上高・限界利益率を上げる具体策>
・新たな販売先(他の地域、他の年齢層、他の業種)を開拓する。
・新商品開発や既存商品の改良を図る。
・外注業務を内製化する。
・原材料ロス(歩留まり)を改善する。
・仕入ルートの開発、物流コスト・ルートの見直し、梱包コストの見直しを進める。
・出荷(納品)、請求、入金の情報を社内で照合、共有化し、請求漏れをなくす。

●人件費・固定費の見直し
人件費や固定費を削るのはなかなか難しいと思います。しかし、当たり前のように支払っている費用でも、交際費など本当に必要な費用なのか、売上に対する貢献度を調べてみましょう。
 また、人件費の伸びは限界利益の伸びの範囲に抑えましょう。

人件費・固定費の改善の具体例としては下記のようなものがあります。

<人件費・固定費の改善の具体例>
・IT化によって業務の効率化をはかる。
・工場レイアウトや段取りの工夫により時間短縮をはかる。
・相見積もりや市価の調査など定期的に行う。

●上記を検討して目標経常利益を達成できる数字になれば、具体的な行動計画等を立てましょう。具体的な行動計画が決まれば、社内で定期的に業績検討会を開催することをオススメします。
 業績検討会では、予算と実績との差異の分析を行い、現状を認識して、目標達成に向けて具体的な行動の軌道修正を行いながら目標の達成を目指します。


税務について

消費税増税に伴う請負工事等についての経過措置についてお話ししましょう。

●完成引渡しまでに長期間を要する請負工事等については、増税半年前の平成28年9月30日までの契約であれば、平成29年4月1日以後の引渡しであっても、経過措置により8%の税率が適用される場合があるため、増税前の駆け込み需要が予想されます。

●請負工事等においては、原則としてその「引渡しの時期」が平成29年4月1日以後であれば増税後の税率10%が適用されます。
 ただし、平成28年9月30日までに請負工事等の契約をすれば、その引渡しが平成29年4月1日以後であっても、経過措置により8%の税率が適用される場合があります。
 平成28年9月30日までに契約した場合でも、10月1日以後に工事等が追加された場合には、その追加増額分(当初の契約金額を超える分)の金額については、10%の税率が適用されるので注意が必要です。
 この経過措置は建築工事だけではなく、完成までに長期間を要する請負契約についても対象になります。

対象となる請負契約は下記のとおりです。

<対象となる請負契約の範囲>
・工事の請負契約
・製造の請負契約
・測量、地質調査の請負契約
・映画の製作の請負契約
・ソフトウェアの開発の請負契約
・その他の請負契約(修繕、運送、保管、印刷、広告、仲介、検査・検定等の事務処理、市場調査等)(注)
(注)仕事の完成に長期間を要し、かつ、当該仕事の目的物の引渡しが一括して行われることとされているもので、契約に係る仕事内容につき相手方の注が付されるもの。

●実務上の注意点としては下記の3点があります。
①契約の相手方は書面で通知する
請負工事等において経過措置の適用を受けた場合には、契約の相手方に「経過措置(8%の税率)の適用を受けた」旨を書面(契約書、請求書等)で通知する必要があります。

②受注した工事を下請業者に発注する場合
経過措置は、発注者との契約だけではなく、建築業者と下請業者との契約についても適用されます。ただし発注者と建築業者との請負契約が平成28年9月末間際に行われたことで、下請業者との請負契約の締結が10月1日以後になってしまった場合には、建築業者の発注者への売上には8%の税率が適用されますが、下請業者への外注費には10%が適用されることになります。

③住宅、マンションの購入は譲渡契約
建売住宅や分譲マンション等の購入は、請負契約ではなく、資産の譲渡契約になるため、請負契約の経過措置は適用されません。ただし、注文住宅は請負契約になります。
 また、建売住宅や分譲マンション等の購入にあたって、建物の内装・外装、設備等の一部に注文工事がある場合は、その譲渡契約について請負契約の経過措置が適用できる場合があります。この場合には注文工事であることを譲渡契約書等に明示しておきます。



4月の特集

経営について

今回は黒字決算のためには欠かせない短期的な経営計画の作成手順についてお話しをしましょう。

●会社の短期的な経営計画を作成するには、まず次期の目標経常利益を決めましょう。
さて、目標経常利益の決め方ですが、目標経常利益を決めるには最低限必要な経常利益を知る必要があります。最低限必要な経常利益の計算例は下記の通りです。

・最低限必要な経常利益の計算例

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上記の計算例により出た金額が最低限必要な経常利益であり、目標の経常利益は最低限必要な経常利益以上の金額にしましょう。また、法人税等の納税は内部留保を厚くするために避けて通れないコストと考えましょう。

●最低限必要な経常利益を確保するのが厳しいと感じる方もいるかもしれませんが経営に必要な資金を確保するためにも毎期一定以上の経常利益が必要になります。あきらめずに売上高・限界利益率の伸び、従業員の給与や賞与、固定費の見直し、営業サイクルや販売先の見直し、社長の役員報酬の増減等などあらゆる可能性を検討し、最低限必要な経常利益を確保しましょう。
 また、そこから自社の経営課題も浮き彫りになってきます。これも経営計画を作成する目的の一つです。

●さて、安定して資金を確保するためにはどうしたら良いでしょうか?
 まず、会社の日常的な営業活動に必要な資金を大まかに分類してみましょう。

・日常的な営業資金を分類すると…

①営業サイクルに必要な資金
「仕入→支払→在庫→販売→回収」というサイクルの中で仕入から代金回収までのタイムラグに伴い必要な運転資金

②固定費の支払いに必要な資金
人件費や家賃など売上の多寡に影響されず、固定的に支出する資金

③年間積立額
定期積金など積立に必要な資金

④年間元本返済額
①②のための資金や固定資産の購入資金を金融機関からの借入金でまかなっている場合、毎月の借入返済に必要な資金

●日常的な営業サイクルにおいて、在庫を増やせば、増加した分だけ資金が必要になります。また販売代金の回収が遅れると買掛金や固定費の支払いに間に合わず、新たに資金調達が必要になったりします。そうならないためにも、在庫を適正に管理して不良在庫をもたないことや、売掛債権の回収を滞留させないことも安定して資金を確保するために重要になります。
 つまり、資金繰りを安定させるためにも、当初想定した目標経常利益を変更することなく、その達成方法をあらゆる角度から検討して経営計画の策定を進めていく事が大切になります。


税務について

役員給与の税務と注意点

●従業員に支払う給与や賞与であれば、業績の善し悪しによって支給額を増減させてもその全額が損金にすることができますが、役員給与については条件があります。
 一般的に役員給与については、税法上の定期同額給与ならばその全額を損金にすることができます。定期同額給与とは下記の要件を満たすものをいいます。

・定期同額給与の条件

①支給時期が1か月以下の一定期間であること

②その支給時期における支給額が事業年度を通じて原則同額であること

●定期同額給与は、事業年度開始から3か月以内であれば、給与の額を改定することができます(一般的には定時株主総会)が、事業年度の途中に、業績の善し悪し、資金繰りが苦しいなどの理由によりその支給額を改定すると、減額であったとしても、その一部が損金として認められなくなります。
 ただし、役員の職制上の地位の変更、職務内容の重大な変更があった場合、経営状況の著しい悪化、などの理由により改定が認められる場合があります。
 ここでいう経営状況の著しい悪化とは下記のようなものがあります。

・経営状況の著しい悪化

①財務諸表の数値が相当程度悪化した。

②倒産の危機に瀕している。

③経営悪化により、株主、債権者、取引先等との関係上、役員給与を減額しなければならなくなった。
※一時的な資金繰りの悪化や、業績目標に届かなかったという理由は、著しい悪化には該当しないため注意が必要です。

●社長の家族や親族を役員や社員として給与を支給している場合、勤務実態と支給額が見合っているか注意が必要です。
 この点は、近年の税務調査において厳しくチェックされています。
短時間の勤務なのに支給額が不相当に高額であるとか、学生なのに支給額が不相当に高額であるなど勤務実態と支給額が見合ってないとみなされると、不相当に高額な部分が損金として認められなくなります。
 そのため、日頃から勤務実態の証明に役立つ書類等を保管し、その支給額を株主総会や取締役会で決定した場合、その議事内容の議事録を作成しましょう。
 勤務実態の証明に役立つ書類等には下記のようなものがあります。

・勤務実態の証明に役立つ書類等

[役員給与の場合]

①職務権限規程 ②取締役会議事録 ③稟議書 ④勤務スケジュール表 ⑤扶養控除等(異動)申告書  等

[従業員給与の場合]
①雇用契約書 ②出勤簿やタイムカード ③旅費交通費など経費の精算所 ④扶養控除等(異動)申告書  等

また、支給額の決定・改定する場合には下記のような注意点があります。

・支給額の決定・改定時の注意点
①支給額が、勤務実態と業務、会社収益、他の従業員給与や同業他社に照らして妥当であるかどうかを確認する。

②支給額や支給方法を各人ごとに決める。

③株主総会や取締役会の承認決議を得て、議事録を作成する。

④事業年度の途中に恣意的な改定をしない。

●近年、法人税率の引き下げにより、社長の個人所得に対する所得税のほうが高くなる例があります。
 役員給与の額を決める際には、以下の点に注意して決めましょう。

・役員給与を決める際に考慮するポイント

①税引後利益から計算する。
税引前利益で計算すると、後の法人税等の納税額によって、会社に残る金額が変   わってくるので、必ず税引後利益から計算しましょう。

②キャッシュフローに注意する。
損益計算上の利益には、借入金の元本返済部分は含まれていないため、借入返済の予定がある場合には返済に必要なキャッシュを加味して役員給与の額を計算しましょう。

③法人税、所得税、社会保険料を考慮する。
役員給与の額が増えれば、会社も本人も社会保険料の負担が増える事になります。
したがって、「会社が負担する法人税」「役員個人が負担する所得税」「双方が負担する社会保険料」を考慮して役員給与の額を計算しましょう。

④経営計画に基づいて決定する
役員給与の額は、事業計画を元に、利益に見合った妥当な額を決めましょう。


労務にてついて

労働基準法の有給休暇の規定が改正されます。

●現行制度では、労働者が会社に対して年次有給休暇の取得を請求しますが、新制度では、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、そのうちの5日分については、会社が社員に与えることが義務づけられます。
 また、新しい年次有給休暇の取得方式については、就業規則に定める必要があります。

平成28年度税制改正と中小企業への影響

平成28年度税制改正を税目ごとにお知らせします。

消費税

●軽減税率制度の導入
平成29年4月1日の消費税10%への引上げと同時に、軽減税率制度が導入されます。それに伴い、インボイス制度(適格請求書等保存方式)が平成33年4月1日から導入されます。
 この導入により、従来の請求書等への必要記載事項に加えて、軽減税率の対象品目についてはその旨の記載が必要になるなど、中小企業の事務負担増が見込まれます。
軽減税率制度、インボイス制度とは下記の通りです。

(1)軽減税率制度(平成29年4月1日~)
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(2)インボイス制度(平成33年4月1日~)
現行では請求書等を保存する方式ですが、この制度では「適格請求書発行事業者」(仮称)(注1)から交付を受けた「適格請求書」(仮称)(注2)の保存を仕入税額控除の要件とする制度です。
なお、インボイス制度が導入されるまでの間については、経過措置が設けられます。

≪平成29年4月から平成33年3月までの間の経過措置≫

①原則:現行の税額計算方法を維持。
仕入税額控除の要件として「軽減税率の対象品目である旨」及び「税率の異なるごとに合計した対価の額」が追加記載された請求書等(区分記載請求書等)を保存します。
※これらは請求書等の交付を受けた事業者が事実に基づいて追記することが認められます。

②特例:売上又は仕入を異なる税率ごとに区分することが困難な事業者には、
売上税額又は仕入税額を簡便に計算することが認められます。

(注1)適格請求書発行事業者は、免税事業者以外の事業者で、納税地を所轄する税務署長に申請書を提出し、適格請求書を交付することのできる事業者として登録を受けた事業者をいいます。登録申請は、平成31年4月1日から受け付けられます。

(注2)適格請求書発行事業者の登録番号、適用税率、消費税額等の一定の事項が記載された請求書、納品書等の書類をいいます。

固定資産税

●新規の機械装置の投資について固定資産税を半減
中小企業者等(資本金が1億円以下の企業など)が、「中小企業の生産性向上に関する法律」(仮称)の施行日から平成31年3月31日までの間において、同法の規定に基づき新規に取得する一定の機械装置について、3年間固定資産の課税標準を2分の1に軽減する特例が創設されます。
対象となる「一定の機械装置」とは次の①~③のいずれにも該当するものとされます。

①販売開始から10年以内のもの

②1台又は1基の取得価額が160万円以上のもの

③旧モデルと比べて生産性が年平均1%以上向上するもの

法人税

●生産性向上設備投資促進税制は適用期限をもって廃止(縮減)
生産性を向上させる等の設備を取得した場合の即時償却及び税額控除率の上乗せ措置は、適用期限の平成28年3月31日をもって廃止されます。
 また、生産性向上設備促進税制は適用期限(平成29年3月31日取得分まで)をもって終了します。

●法人税率を23.4%に引き下げて企業の税負担を軽減
法人税率が現行の23.9%から次のように段階的に引き下げられます。

①平成28年4月1日以後に開始する事業年度について、23.4%とする。

②平成30年4月1日以後に開始する事業年度について、23.2%とする。

●中小企業者等の少額減価償却資産の損金算入特例の見直しと延長
中小企業者等の少額減価償却資産の損金算入特例の適用期限が、マイナンバー制度への対応や、消費税率の引上げに対する設備導入を支援するため、2年間延長されます。
ただし、従業員1000人超の法人は対象から除外されます。

・少額減価償却

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●中小法人の交際費等の損金算入特例制度の延長
平成30年3月31日までに開始する事業年度において支出した交際費について、接待交際費に対する損金算入の特例(1人当たり5,000円以下の飲食費)及び中小法人の年間800万円以下の全額損金算入特例が2年延長されます。

●建物附属設備等の減価償却方法の見直し
平成28年4月1日以後に取得する建物附属設備等の償却方法について定率法が廃止されます。

・建物附属設備等の償却方法の改正

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●企業版ふるさと納税の創設
個人と同じように企業版ふるさと納税制度が創設されます。
青色申告法人が、地域再生法の改正法施行日から平成32年3月31日までの間に、地方創生推進寄付活用事業(仮称)に関連する寄付金を支出した場合、寄付金の一定額が法人住民税等から税額控除できるようになります。
・企業版ふるさと納税の法人事業税、法人住民税、法人税の控除額等

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(注)法人住民税について、平成29年度以後は道府県民税法人税割額から2.9%控除
市町村民税法人税割額から寄付金額の17.1%控除となります。

●青色繰越欠損金等の繰越期間の延長の先送り
青色繰越欠損金の繰越期間を9年から10年に延長する改正が、当初の「平成29年4月1日以後に開始した事業年度」から「平成30年4月1日以後に開始した事業年度」に変更されます。

所得税

住宅の三世代同居改修工事等に係る特例の創設
三世代同居に対応した一定の住宅リフォームについて、平成28年4月1日から平成31年6月30日までの間に居住した場合には、「特定の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額に係る特例」の対象に追加されます。
 この特例は、「住宅の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税の特別控除」との選択適用となり、その控除期間は5年間となります。

・所得税の控除額

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※「一定の三世代同居改修工事」とは、調理室、浴室、便所、玄関のいずれか2つ以上が改修後複数となる工事で、補助金額を控除した工事費用が50万円を超えるなどの要件を満たすものをいいます。
※適用対象となる住宅借入金等は、償還期間5年以上のものとされます。

●空き家を譲渡した場合の特別控除制度の特例
被相続人(亡くなった人)のみが居住していた家屋とその敷地を相続した相続人が、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に、その家屋(注)又はその家屋と敷地を譲渡した場合、その譲渡所得から3,000万円を控除することできます。
 ただし、平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間に譲渡したものに適用され、譲渡対価が1億円を超えるものは除かれます。

(注)昭和56年5月31日以前に建築された家屋(区分所有建築物を除く)で、相続開始から譲渡等の時までに事業用、貸付用、居住用とされていないなどの要件を満たすものをいいます。

●医療費控除の特例としてスイッチOTC薬控除を創設
健康の維持増進及び疾病の予防のために一定の取組みを行う個人が、本人及び家族に係る一定のスイッチOTC医薬品の購入代金を平成29年1月1日から平成33年12月31日までの間に支払った場合において、その代金が年間12,000円を超えるときはその超える部分の金額(限度額88,000円)を、その年分の総所得金額から控除できる特例です。
 ただし、本特例の適用を受ける場合は現行の医療費控除は受けることができないので注意しましょう。
 また、一定の取組みとは、下記の検診等又は予防接種(医師が関与するものに限る)をいいます。
・一定の取組み
 ①特定健康診査 ②予防接種 ③定期健康診断 ④健康診査 ⑤がん検診

●通勤手当の非課税限度額の引上げ
平成28年1月1日以後に受けるべき通勤手当の非課税最高限度額が現行の月額10万円から月額15万円に引き上げられます。

贈与税

●結婚・子育て資金の一括贈与非課税制度の拡充
結婚・子育て資金の一括贈与非課税制度において、平成31年3月31日までに贈与されるものについては、その対象となる不妊治療の費用に薬局に支払われるもの(処方箋に基づいて処方されるものに限る)が追加となるなど、非課税対象が拡充されます。

自動車取得税など

●車体課税の見直し
平成29年4月からの消費税率10%への引上げに伴い、自動車取得税が廃止されるとともに、自動車税及び軽自動車税に環境性能割が新たに導入されます。
 また、平成28年度に適用される自動車税及び軽自動車税のグリーン化特例は見直しの上、延長されます。



3月の特集

会計について

今回は売上の計上時期についてお話しをしましょう。

●よく税務調査で指摘を受ける事として、売上の「期ズレ」があります。

これは取引は切れ目なく動いてますが、会社は決算をしなければなりません。ここでは一年単位で数字をみるのでどうしても決算期では取引の行き来を人為的に切る事があります。物の納品(引渡した日)が済んでいれば請求書の日付がどうであろうとその引渡日で売上が成立しているのです。ここのところをよく指摘を受けます。

要は売上の側で物の引渡しの前に入金になっていようが、それは売上の計上時期とは全く別物である事を承知する必要があります。極論すれば入出金とは関係なく売上を把握します。それは経費についても同じ事が言えます。先に支払っていてもそれは原則関係ありません。

以上の考え方を会計では発生主義と称します。

但し地代家賃や保険料等は下記の条件を満たせば支払時の経費処理はOKです。

・支払時に経費処理が認められる前払費用
①一定の契約に基づき継続的に役務を受けることとなっているものであること
②その支払った日から1年以内に提供を受ける役務にかかるものであること
③継続的に支払事業年度において経費処理していること
④収益の計上と対応させる必要があるものでないこと

●さてついでですが、決算のための確認をしましょう。

未回収債権や不良債権への対処も忘れずに行いましょう。ほっておくと時効消滅するので請求書の再交付は忘れずに。放棄の場合はその旨を内容証明郵便で通告します。

●資産の増減確認を
棚卸資産の不良品分は除却した時は写真に、処分業者に任せた時は領収書等の証拠資料をしっかりと保存するようにしてください。

●仮払金の精算は速やかにして、しっかりと中身確認をしてください。

●現金は決算日の金種表を用意してください。

●棚卸資産の残高確認を、必ず在庫調べをしてください。取引先への預け品ももちろんカウントを、輸送中の分もお忘れなく。

●預金や借入金については必ず残高証明書を。

●売掛金は得意先別に残高確認を!

●買掛金や未払金も同様に仕入先別に残高確認してください。

●尚、債権の時効について下に列挙します。

・債権は、一定の期間を経過すると時効にかかって消滅してしまいます。支払督促など によって、時効のストップ(時効を中断)させることで、債権の消滅を防ぎます。

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税務について

●さてアベノミクスの効果がどうか、いわゆる賃金の増加率によっては法人税額を減らせますよとの税制が何年か前からできていますが、更に使い勝手をよくしようとの事で平成28年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する事業年度ではその増加率が3%以上(従前5%以上)に緩和されました。

適用要件は以下の通りです

<適用要件>(平成28年度に適用する場合)
①与等支給額の総額が基準年度(注1)と比べて3%以上(注2)増加していること。
②給与等支給額の総額が前事業年度以上であること。
③平均給与等支給額が前事業年度を上回っていること。

(注1)基準年度とは、平成25年4月1日以後最初に開始する事業年度の直前事業年度をいいます。例えば3月決算企業の場合、平成24年度(平成25年3月期)が基準年度になります
(注2)平成26年度は2%、平成27年度・28年度・29年度は3%

尚、所得拡大促進税制の留意点を以下に述べます。

【所得拡大促進税制の留意点】
・事前申請等は必要ありません。
・賃金の増加の対象にはベースアップだけではなく賞与や諸手当も含まれます。
・平均給与等支給額の計算対象が適用事業年度及びその前事業年度に給与の支給を受けた「継続雇用者」に限定されるため、新規採用があってもその計算には影響しません。
・個人事業者も利用できます。

●ジュニアNISAが4月からスタートとなります。

要は19才までの未成年者でも株式投資信託や上場株式で1人当たり年間80万円まで投資して得られた利益に対する所得税は非課税になりますよとの制度です。
<ジュニアNISAのポイント>
・口座開設1月1日時点で19才以下の未成年者が対象。
・毎年80万円までで最大400万円までの株式投資信託や上場株式の配当金、譲渡益等が最長5年間非課税となる。
・3月31日時点で18才である年の前年の12月31日までは引き出せない。

●今国会で決定すればすぐに適用されそうな平成28年度改正

・新規(新品)取得の機械装置の固定資産税を1/2に軽減する特例の創設
中小企業者等(資本金1億円以下の法人など)が新品の機械装置を取得した場合、3年間はその固定資産税を半分にするという特例です。
対象となる機械装置は、1基又は1台が160万円以上の条件はあります。
適用は、平成28年4月1日から平成31年3月31日までの間に取得する分です。

・子孫への結婚・子育て資金一括贈与の非課税制度の拡充
直系尊属から子供や孫への結婚や子育て資金の一括贈与は1000万円(結婚資金は300万円)まで非課税となる制度です。
以下のものも今後は対象となる予定です

(1)処方された不妊治療の医薬品代
(2)産前産後の母親の医療費、処方された医薬品代など


労務について

●健康保険の標準報酬月額の上限が平成28年4月から3等級追加され全50等級(現行47等級)となり上限も139万円(現行121万円)となります。

又、賞与の分も同じ事が起きており4月から上限573万円(現行540万円)となります。

傷病手当金の計算方法も、従来は直近月の標準報酬月額を元に計算されていましたが、改正後は直近12カ月間の標準報酬月額の平均額によって計算されることになります。





2月の特集

経営について

黒字決算に向けた決算対策について

●決算対策といっても、生の数字(現状)が把握できていなければどうにもならない。中小企業の中には、いわゆる経理能力がなく、資料の整理も出来ておらず儲かっているのか損しているのかもわからず、ただひたすら収支のみに戦々恐々としている事業所(会社)が少なからずある。そんなところは決算対策もへったくれもない。日々事業所(会社)の存続をかけて事業をしているので、経理マンのスタッフ能力どころでなく、社長自身が収支表らしきものをつけているのみである。よって、そんなところで決算対策となるとやはりざっくり感で損益を把握し、そして予測にて概算経理数値、概算税額となる。

●さて、ざっくり感で決算対策をするとしても、対税務署、対銀行に対しては、精度の高い決算書、申告書が要求されている。そこのところを埋めるのは社長の自分の経営に対する姿勢が問われ、もちろん脇役である会計事務所の出番ではあるが、やはり経理に対する強い意識を社長(経営者)自身が持ってもらう必要がある。

●さて、そこで赤字であるにせよ黒字であるにせよ、明確な事業力の表示となるべき決算書を作成しなければならない。利益が出なければこんなふうにして将来に対して展開するんだと明らかにしていかなければならない。要するに決算書は事業の結果を表現するものであるとしても、その決算書にある意味社長の明確なる事業の姿勢が表現されなければならないものであり、そこがポイントと思える。

●利益が出てもある意味瞬時では意味なく、赤字であっても将来に対する布石で、ある意味赤字であるが故の将来の利益の源泉であれば意味をなすのである。一時の損益に決して惑わされてはいけないのである。その意味で社長の事業力(自己実現能力)がしっかりと表現される必要がある

●尚、利益確保対策として具体的には、以下の次が列挙できる

(1) 業績向上への取り組み
・営業活動を見直して重点得意先に対するアプローチをはかる
・見積もり段階にある案件の成約、本採用に向けた営業を行う
・販売促進の強化(決算バーゲン、在庫一掃セールなど)

(2) 経費の先送り
備品、消耗品の購入、広告宣伝費などのなかで緊急性の低いものは翌期に先送りして、当期の費用にならないように調整します。

(3)含み益のある資産の処分など
含み益がある株式や土地、その他の資産が処分可能ならば、処分を検討しましょう。

●利益確保対策として上記をまとめると以下の通りです。

(1)交際費等の節減
(2)経費の先送り
(3)広告宣伝の中止
(4)家賃の値下げ交渉
(5)保険契約の見直し
(6)役員報酬の減額
(7)株式の処分
(8)土地の処分
(9)含み益がある資産の処分

●さて、節税の意味ですが、何の為にするかです。要は税金なのだから安いに越した事はない、少なければ少ない程よいとのところから入っていくと思うが、一歩冷静になって考えてみる必要がある。少なくとも法治国家の下でビジネスを行う時、いわゆる社会から受ける有形無形のサービスを享受している事には違いないはずである。よっていわゆる社会から受ける有形無形のサービスに対する対価を払うという事は必ず存在する。その上でのビジネスの発展を願うということは、ある意味当然と云える。よって、いわゆる節税のための節税であれば何ら意味を持たなくなる。従って事業発展のための節税でなければ全く意味がない。

●では、大きく節税を分けてみると支出することによってその時の税金を減らす方法と、支出したが後でその分の税金を払わなければならないという2パターンあると思います。要は使い分ける事になるが、基本の発想は事業所の財務力の充実を図り、そして将来の事業が発展するとの視点で、個別ケースにあたるべきと考える。これがないとただ税金を払いたくないための節税となり、逆に事業が縮小する方向にいってしまう。それは誰も望まない結果である。

●さて、具体的節税対策には以下のようなものがあります。

(1)決算賞与の支給
業績が予想以上に良い場合には、決算賞与を支給する方法があります。全従業員への決算賞与の支給は損金に算入できるうえ、従業員のモチベーションもあがります。

※注意点
決算期までに支給できず、未払いで計上する場合には、次の要件を満たす必
要があります。

・支給額を各人別に、かつ、同時期に支給を受けるすべての従業員(パート・アルバイト含む)に対して、決算期末までに通知していること。

・決算期末から1ヶ月以内に支払っていること

・損金経理をしていること

※未払い計上の方法もあるが、税務の現場では税トラブルの元になるので期末までに支払った方がよい。

(2)30万円未満の備品の購入
パソコンや備品などは、1つ30万円未満であれば、年間で合計300万円まで 取得価額の全額を損金に算入することができます。

(3)修繕費の前倒し実施
次期に予定している修繕等を当期中に前倒しが可能であれば検討しましょう(ただし、当期中に完了する必要があります)。

(4)不良在庫の処分
不良在庫があれば、セールなどにより原価割れで販売し、原価との差額分を売却損として計上します。また、陳腐化して売れない商品は、廃棄処分して廃棄損を計上します。

●節税対策として上記をまとめると以下の通りです。

(1)臨時・決算賞与の支給
(2)中小企業退職金共済への加入
(3)役員退職金の支払い
(4)社員の教育研修の実施
(5)30万円未満の備品の購入
(6)修繕費の前倒し実施
(7)広告宣伝費の実施
(8)次期販促の前倒し実施
(9)減価償却資産の購入
(10)不要な償却資産の処分
(11)不良債権の処分
(12)不良在庫の処分
(13)倒産防止共済の加入


税務について

つもり贈与についての恐い話

●今や贈与税の基礎控除110万円の話しは大人気です。現場でよく聞く話しで私は110万円贈与で貰ったので相続税は関係ないと耳にタコが出来る程聞きます。しかし誠に残念ながらほとんど(90パーセント以上)贈与の程をなしていないのが大半です。相続税の調査の場面ではほとんど否認されています。

●ではなぜなのか?ある意味答えは簡単です。贈与していない、されていないからです。当たり前ですが贈与する人は贈与したよ、貰った人は貰ったよとの確認がとれていないのです。俗に言う大半は贈与した事にする、貰った事にする、なのです。ここではやはり贈与契約が必要です。例えば預金贈与であれば貰った人の通帳に入金され、貰った人自身の通帳ですからもちろん本人が煮て食おうが焼いて食おうが勝手に出来る訳です。ということは、貰った人の範疇に入り実際にその人用に使っていく事になるわけです。そして最後の締めとして確定申告をするという事になります。この辺が全く出来ていないのです、大半は。


マイナンバーについて

●いよいよ平成28年1月からスタートとなります。最初に適用となるのは雇用保険関係の届出からです。ではどんな書類からか?以下の通りです

(1)雇用保険被保険者資格取得届
(2)雇用保険被保険者資格喪失届

●雇用保険対象者は31日以上引き続き雇用見込みがあり、1週間の所定労働時間が20時間以上の人が対象です。

●新たに雇用した人には雇用保険被保険者資格取得届にマイナンバーを記入してもらう必要があります。既存の従業員は良しとして新たな雇用者にはマイナンバーの利用目的を説明の上、既存の従業員とは別に本人確認として番号確認と身元確認が必要です。運転免許証など顔写真付きの身分証明などを提示してもらう必要があります。

●健康保険・厚生年金関係の届出は平成29年1月から適用となります。適用となる書類は以下の通りです。

(1) 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
(2) 健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届

●参考となる資料があります。いわゆる個人番号カードの申請を面倒がる人には耳よりな話です。町にある証明写真機が申請用の資料を作ってくれます。手順は以下の通りです。

・証明写真機による申請の流れ
(1) 個人番号カードの交付申請書を用意する。

(2) 証明写真機の画面メニューで「個人番号カードの交付申請」を選択する。

(3) 交付申請書に記載されたQRコードを所定のスキャナで読み取る。

(4) 画面に表示される23桁の申請書IDが正しいことを確認する。

(5) 撮影モードで顔写真を撮影する(複数回撮影・選択可能)。上下左右の位置を調整する

(6) 申請書IDと撮影画像の最終確認をする。

(7) 申請確認証のプリントを受け取る。


1月の特集

会計について

複式簿記について

●商売をしていく上で、複式簿記によって毎日の取引の記録を記帳し、仕訳を行う事は今や常識となっています。

●複式簿記を導入しないと、過剰在庫、資金回収が追いつかない、従業員による不正、支出が収入を上回るなど様々な問題点が生じてしまいます。

●複式簿記を導入すると、費用の種類などにも気付く事が出来ます。工場を例にすると、工場の賃貸料、人件費など生産数量に関係なく、ほぼ一定の費用が発生する固定費と、材料費など生産数量によって費用が変化する変動費の違いに気付き、生産数量が増えても固定費はほぼ変わらないので、大量に生産すれば製品一個あたりの固定費を安くでき大量生産出来るなど将来の生産計画を立てる事が出来ます。

●会社の業績内容を正しく把握しかつ不正を防止するには、日々の記帳を定期的に締めて、信頼できる会計士に監査してもらう事が必要です。

●上記のように複式簿記は、経営内容の把握と経営の意思決定に役立ちます。


税務について

受け取った保険金の所得税について

●保険金は保険会社によって商品名は色々ありますが、保険の種類は課税されるものと非課税のものに大別されます。

●病気やケガに対する保険金は基本的には非課税になっています。また、特定疾病保険金のように「がん」「急性心筋梗塞」「脳卒中」のいずれかによって所定の状態になった時や、リビングニース特約保険金なども原則的に所得税は非課税となっています。

●保険には、契約者、保険料負担者、被保険者、保険金受取人の4者が存在します。実際には、契約者と保険料負担者が同じであるケースが多く、所得税が課税される保険金は保険料負担者(契約者)と保険金受取人が同一である場合などがあり、この場合受取人が受け取った保険金には所得税がかかり、一時所得として課税されます。課税対象額は(保険金+配当金-払込保険料-50万円)×1/2で計算されます。

●満期保険金等を受け取った場合、一時金で受け取る場合と年金で受け取る場合があり、一時金受領は一時所得になり、年金での受領は公的年金等以外の雑所得になります。一時金で受け取った方が有利か年金で受け取った方が有利かの判断は会計事務所にご相談ください。

●確定申告不要の給与所得者の場合、雑所得(個人年金保険)や一時所得などの合計額が20万円以下で医療費控除等を受けるために確定申告をする場合以外は、基本的に確定申告は不要です。

●上記のように保険料負担者が保険金等を受け取った場合は、所得税の課税対象となりますが、保険料負担者以外の人が保健金等を受け取った場合には保険金-基礎控除額(110万円)の金額に対して贈与税が課されます。保険料負担者が保険金を受け取る場合の所得税の方が、保険料負担者以外の人が保険金を受け取る場合の贈与税より有利になる事が多いようです。

●マイナンバー制度の導入後は保険金等の支払に関する情報がより詳しく把握されることになるので、受け取った保険金の申告漏れに注意しましょう。


マイナンバーについて

●いよいよマイナンバー制度が始まりました。マイナンバー制度の導入により、企業が作成する税や社会保険関係の書類にマイナンバーを記載する必要があり、従業員とその家族(配偶者・扶養親族)、取引先等からマイナンバーを収集する必要があります。

●会社は従業員からマイナンバーを収集するにあたって、つぎの3つを行います。

(1)従業員への利用目的の説明

(2)マイナンバーが記載された書面の受取
「扶養控除等(異動)申告書」にマイナンバーを記載してもらう方法が一般的です。

(3)本人確認の手続き

①本人確認には番号確認と身元確認が必要であり、個人番号カードがあれば番号確認と身元確認をまとめて行えます。無い場合は、番号確認は通知カード等で、身元確認は運転免許証等で行います。

②従業員の扶養家族の場合本人確認は従業員自身が行います。会社が本人確認を行う必要はありません。しかし、国民年金第3号被保険者の場合会社が本人確認を行います。この場合、一般的には従業員が配偶者の代理人となって、会社に配偶者のマイナンバーが記載された書類等を提出します。また、従業員が代理人となる場合は、委任状、従業員の個人番号カードや運転免許証等、配偶者の個人番号トカードや通知カードのコピーが必要になります。

③短期のパートやアルバイトの場合は、短期間で突然辞めてしまうことも予想されるため、採用時にマイナンバーの提供を受けて、本人確認しましょう。

④従業員以外(取引先・株主等)の場合は、支払調書の作成にあたり支払先からマイナンバーを提供してもらう必要があります。「マイナンバーの提供をお願いする」旨の文書を送付して、通知カードのコピーと運転免許所等のコピー、あるいは個人番号カードのコピーとともに返送してもらう方法などがあります。