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更新日 2018-05-06 | 作成日 2008-01-31

4月の特集

経営について

自社の特徴や概要をわかりやすく伝えるための「ビジネスモデル俯瞰図」の作成

 中小企業においても、金融機関等の外部の人に自社の概要や特徴を説明する機会が増えています。その場合に「ビジネスモデル俯瞰図」を作成すると相手に伝わりやすく、また、作成過程において自社の強みや課題が見えてきます。

 「ビジネスモデル俯瞰図」とは、自社の事業内容や商品・サービスの流れ、販売先や仕入先の割合などを図式にしたものです。様々な事業がある中で、自社がどのような事業内容でどのような仕入先や販売先と関わりがあるかを口頭や文章で説明しても、なかなか相手に伝わりません。そこで「ビジネスモデル俯瞰図」として図式化することで、自社の事業内容等を一目で相手に伝えることが出来ます。

ビジネスモデル俯瞰図の作成例
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 図表1の例では、仕入先・販売先ごとの取引高、商品の流れ等が一目でわかります。
 また、ビジネスモデル俯瞰図の作成過程において、自社のビジネスの全体を俯瞰することにより現状の強みや課題が浮かび上がるため、今後の経営計画や改善策をたてやすくなるのもビジネスモデル俯瞰図作成のメリットです。


労務について

出産・育児による従業員の退職を防ぐ、働きやすい職場づくり

 従業員規模の小さい企業では、人材確保が難しい状況において、従業員の出産・育児による従業員の退職は痛手になります。
 出産・育児の法制度の整備が進んでいるこの機会に社内規定を整備しましょう。

 出産・育児に関する法制度は以下の通りです。

(1)産前・産後の休業についての法制度

①産前は6週間・産後は8週間の休業
 産前休業は出産予定日の6週間前(双子以上の場合は14週間前)から取得でき、産後休業は出産の翌日から8週間は就業することができない。
②育児休業(最長2年まで延長可能)
 原則は子どもが1歳の誕生日の前日までとなっていますが、一定の条件を満たせば子どもが1歳6か月に到達する日まで延長が可能です。また、平成29年10月の法改正により、一定の条件を満たせば子どもが2歳に到達する日まで延長が可能です。

(2)産前・産後、育児休業中の社会保険料の免除や給付

①社会保険料の免除
 産前・産後、育児休業中の社会保険料は、事業主の申出により全額免除されます。

②出産手当金の受給
 出産日以前42日から出産日翌日以降56日の期間中に給与の支払がない場合に、休業1日につき、標準報酬日額の2/3が支給されます。

③出産育児一時金の支給
 被保険者又は被扶養者が妊娠4か月(85日)以上で出産した場合に、一児につき42万円が支給されます。

④育児休業給付の支給
 雇用保険の被保険者で育児休業中、一定の要件を満たせば支給されます。

⑤標準報酬の養育特例
 養育期間中の標準報酬月額が、養育開始月の前月の標準報酬月額を下回る場合、従前の標準報酬月額に基づく年金額を受給できます。

⑥子の扶養加入
 出生した子を社会保険の扶養に入れることができます。


税務・労務について

新入社員の入社や従業員の扶養家族の異動に伴う税務・社会保険の手続

 4月は、新入社員が入社したり、従業員の扶養家族に入学・卒業・就職などの異動があり、税務や社会保険の手続きが多くなります。新入社員の入社や従業員の扶養家族に異動があった場合の手続きは以下の通りです。

(1)従業員の扶養家族に異動があった場合
 従業員の扶養家族に異動があった場合には、その都度「扶養控除等(異動)申告書等」を提出してもらいます。

(2)新入社員の入社
 新入社員の入社時に提出を受ける主な書類は以下の通りです。
①履歴書
②被扶養者の情報
③扶養控除等(異動)申告書(マイナンバーの取得)
④源泉徴収票
⑤雇用保険被保険者証(前職がある場合)
⑥年金手帳

 また、新入社員が入社すると社会保険・雇用保険の手続も必要になります。

イ)健康保険・厚生年金保険の手続
 入社日(資格取得日)から5日以内に、管轄の年金事務所(健康保険組合、厚生年金基金)に、「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」を提出します。被扶養者がいる場合は届出書類が異なります。

ロ)雇用保険の手続
 入社日(資格取得日)の属する月の翌月10日までに管轄のハローワークに「雇用保険被保険者資格取得届」を提出します。


3月の特集

経営者保証のない融資の事、ご存知ですか?

 経営者の起業等や意欲を阻害する経営者の個人保証(経営者保証)を求めない融資拡大を目指して、一定の経営状況であれば経営者保証を求めない「経営者保証に関するガイドライン」が運用されています。

 借入のある中小企業経営者の多くは個人保証を提供しています。この個人保証ですが、新事業展開や設備投資、また事業継承を進める際、経営者の意欲を阻害することが問題になっていました。

 そこで、「経営者保証に関するガイドライン」を策定し、平成26年2月から運用されています。これに沿った融資は政府系金融機関(金融庁、全国銀行協会など)が先行し、民間金融機関にもひろがりつつあります。

 ガイドラインでは、一定の経営状況(会社と経営者の一体性の解消や財務基盤の強化、積極的な情報開示など)であれば金融機関は個人保証なしで融資を受けることや既存の保証契約の解除などを検討することになっています。

 そこで「一定の経営状況」とは?
(1)会社と経営者の資産・経理を明確にすることです。 経営者は公私の区別をつけ、会社と個人の資産が明確に分けられているかです。例えば、資金のやりとり(役員報酬、経営者への貸付け等)を適切な範囲とすることや、経営者の個人的な支出を会社の経費にしないことです。

(2)借金返済が可能と判断できることです。 経営改善に取り組み、債務の返済能力を向上させ信用力を強化します。業績が不安定でも、内部留保が確保されていることや、好業績が続いており借入金の返済が可能であることです。

(3)金融機関等へ適時適切な情報開示等をすることです。 信頼性のある決算書を作成し、必要に応じて税理士等の外部専門家による検証を受け、金融機関に年一回の決算書だけではなく、定期的に試算表や資金繰り表なども開示・説明をすることです。
会社と役員の資産・経理をしっかりと区分しましょう

 中小企業では、会社と役員との間で資金・不動産の貸し借りをしているケースがよくあります。役員の個人的な支出は税務では外部との取引と同様に明確に区分します。

 会社と役員との間での金銭や不動産の貸し借りについて税務調査では、役員の公私混同はないか、利息や家賃は適正か契約書等はあるのか、チェックされます。

 金銭の貸し借りについては、株主総会などの承認決議を得て議事録を残すとともに、「金銭消費貸借契約書」をかわしましょう。特に役員への貸し付けの場合、契約書において、借入金額、利息、返済条件などや利息額の参考書類等も保存します。

 住宅や事務所など不動産の貸し借りについては「不動産賃貸借契約書」や株主総会などの議事録を残すことはもちろん、その対価(家賃)についても注意しましょう。

 金融機関も融資するにあたり経営者のこんな所をみています!

(1)事業規模に比べて役員の経費が多くないか
(2)事業に関係のない資産(高級車や美術品等)が多くないか
(3)役員への仮払金や貸付金が多くないか

 など※役員の個人的な支出に充てるなら、借入金の返済や、内部留保とすることで会社の財務基 盤の強化に努めるべきだと金融機関は考えます。


 最後に、役員の公私混同は会社を弱体化させてしまう要因の一つです。社内全体のモラルの低下や、社内不正の招きやすい状況を作りだしてしまう恐れがあるのです。また、資金繰りが苦しい会社ほど役員の公私混同が多い傾向にあるのです。つまり、業績は悪くもないのに、役員の私的流用が資金繰りの悪化を招いてしまうのです。


日頃から、売掛金管理と回収を適切に行いましょう

(1)得意先との間で、請求の締め日や支払期日、送料をどちらの負担にするかなどの取り決めが共有できているのかを再確認しましょう。得意先の回収条件はすべて同じとは限りません。翌月末入金や翌々月末入金など回収条件が曖昧で得意先との間に認識のズレが生じてしまうと、回収遅れの原因となってしまします。

(2)売掛金はきちんと得意先別に管理し、未入金や一部しか入金されていない場合には、営業担当者に報告し、いつ、どのように回収するのかを報告してもらうようにしましょう。

(3)売上計上の誤りや請求書の発行など、自社の対応こそが回収の遅れの原因になっていることがあります。営業担当と経理担当が密に連絡をとれる体制を整え、返品・値引き等、すぐに修正が行えるようにしましょう。

(4)売掛金などの債権は時効があります。時効によって債権を消滅することを防ぐには「時効の中断」という方法をとります。時効前に改めて代金を請求し、得意先に債務を承認してもらいます。債務者が任意に債務を承認しない場合に、訴訟等の法的手続きが必要です。時効満了の直前で訴訟の提起が間に合わないときには、配達証明付きの内容証明郵便で支払いを請求すれば、配達された日から6か月間は時効が完成しません。

(5)通常の方法で回収が難しければ、専門家と相談し、支払督促や少額訴訟などの法的手続きも検討します。

 支払督促(申立人側の申立てのみに基づいて、簡易裁判所の書記官が相手方に支払いを命じる略式の手続きです)・書類審査のみで行われる簡易な手続き・証拠の提出や裁判所に出向く必要がない・通常の訴訟費用の半額

 少額訴訟(60万円以下の請求に限って利用できる制度です)・訴状の作成などの手続きが簡単で、弁護士に依頼する必要がない・費用が少額・原則として審理は1回(即日に判決)


2月の特集

成り行き経営をやめる!

「成り行き経営」で赤字を続けていけば、会社を維持・発展させることは困難です。

 現在、中小企業の約7割が赤字であると言われています。赤字経営が続いていても、「法人税を納めなくてすむ」や、「資産の含み益を前提に赤字であっても借入れが可能だった」ことから、黒字にする必要性を強く感じない経営者もいるようです。

 かつては経済が右肩上がりで、物価や不動産価格が上昇していた時代も、今の日本経済は低成長が続き、少子高齢化を迎えています。これからは、経営の黒字化を積み重ね、会社の経営基盤を安定させなければ、会社の存続自体が難しくなってしまいます。

 計画もなく赤字経営のままですと、次のような事態が予想されます ・資金不足になり、赤字を理由に金融機関から融資がうけられなくなる ・借入金返済や設備投資ができなくなる ・社員に満足な給料が出せず、人材確保が難しくなる   など

 では、成り行き経営から脱却するためにはどうしたらよいか。まずは、将来を予測し、どれだけの売上や利益が必要かを把握します。次に、それに基づいて経営計画を立てて、その実現に努力する「計画経営」の成果が黒字となり、それを積み重ねることで、自己資本の充実が図れるのです。

身の丈にあった借入れとは?

 運転資金の調達や借入金の返済額を考え、自社の身の丈にあった借入れをしましょう。

 資金不足が起きるのは、営業活動に必要な運転資金や設備資金の借入返済額のバランスがとれていないからです。例えば資金に余裕がなくなる要因には次のような場合が考えられます。

(1)売上が増加しているとき

 事業拡大や、季節変動に伴う売上の増加の際には、買掛金残高や在庫も増加しますが、一般的にはそれ以上に売掛金が増加するため、必要な運転資金が増加します。

(2)在庫が増加しているとき

 在庫が増えると資金化までのサイクルが長くなるため、その期間の資金が必要になります。在庫管理をおろそかにすると、在庫は増加傾向になるため注意が必要です。

(3)回収や支払い方法に変更があったとき

 得意先からの入金が遅くなったり、反対に仕入先への支払いが早くなったりすることで、支払いから入金までの期間が長くなります。この期間が長くなると、それだけ資金が必要になります。

※運転資金は、売上規模がほぼ一定であれば、常に一定額が確保されていなければなりません。また、売上拡大や在庫増加は、それだけ必要な運転資金も増加しますので、経営計画を作成する際には注意は必要です。

所得税の確定申告のもれに注意!

 会社員は、基本的には年末調整をすれば確定申告をする必要はありませんが、満期保険金の受取りや医療費控除などがある場合は、確定申告が必要になります。

一時所得の申告もれに注意です。例えば、自分が保険料を負担していた生命保険や損害保険について、満期保険金や一時金、解約返戻金を受け取ったときには、一時所得として、申告が必要な場合があります。

※保険の満期日の通知を受けたが、保険金の受取りがその翌年となる場合は、受取日ではなく満期日の属する年分の一時所得となるので申告時期に注意が必要です。

 ふるさと納税の「ワンストップ特例制度」とは、確定申告が不要な会社員等がふるさと納税を行った場合、寄附した自治体ごとに申請書を提出すれば確定申告をしなくても寄附金控除を受けられる制度です。

 ワンストップ特例制度を申請していたにも関わらず、医療費控除を受けるために確定申告をする場合には、ワンストップ特例制度が自動的に無効となるため、ふるさと納税の寄附金控除の記載がなければ控除を受けることができなくなります。※確定申告において、寄附金控除をする際には、「寄附金受領証明書」が必要になります。

 医療費控除額の計算式

 医療費控除額=その年中に支払った医療費の総額-保険金等による補てん金額-10万円

※計算の際、次のような「保険金等による補てん金額」の控除もれが見受けられますので注意してください。

・高額療養費・高額介護療養費・生命・損害保険会社からの給付金・出産育児一時金  など

 最近は、会社員や主婦が外国為替証拠金取引(FX)で利益を上げている例も増えています。これらの利益から取引手数料等の必要経費を差し引いた残りが雑所得として扱われます。給与所得者は雑所得などの給与所得以外の所得が20万円以下であれば申告せずに済みますが、医療費控除などのために確定申告をする場合には、たとえ20万円以下であっても申告が必要です。

 寡婦控除・寡夫控除の申告もれ

 寡婦または寡夫とは、納税者本人が原則としてその年の12月31日時点で、夫または妻と死別した人、夫または妻の生死が不明な一定の人、離婚後、結婚していない人で、扶養親族がいるなど一定の条件を満たす人です。該当すれば27万円(特定の寡婦は35万円)の所得控除が受けられます。

 贈与税の申告も忘れずに

 1年間に本人が受けた贈与金額が合計で110万円を超えると、贈与税の申告が必要になります。例えば、祖父から100万円、父親から100万円の贈与を受けた場合には、合計で200万円の贈与を受けたことになり申告が必要になります。

1月の特集

崇高な理念が企業を育てます

 経営理念を仕事に活かし元気な企業にしていきましょう。

 経営理念は、会社の存在意義や大きな経営目標を示す道標です。多くの企業は自らの経営の基本的目標を示す経営理念を文章化しています。崇高な理念を掲げる事により、自分の仕事を通じて社会や人に貢献することに喜びを感じるものです。

 経営理念は社員の身近な存在でなければなりません。例えば、朝礼などで経営理念を唱えてみたり、年度方針であったり、個人の目標を掲げるなど、社内に浸透させ、経営に活かしていきましょう。

 経営理念は抽象的な表現が多いため、具体的に行動指針や行動目標を作ると、社員は行動しやすくなります。まずは“大きな声であいさつをしましょう。”などから、初めてみてはいかがでしょうか。

平成30年1月から配偶者控除等が見直されます

 配偶者控除等の改正は、納税者本人と配偶者それぞれの所得によって異なります。

 配偶者控除には、性別の規定はありませんが、仮に夫婦共働きで妻のパート収入が年103万円以下であれば、夫は最高38万円の配偶者控除を受けることができますが、改正によって夫に所得制限が設けられました。

 改正の大きなポイントは、納税者本人が最高38万円の控除を受ける配偶者の収入が年150万円以下にまで拡大されたことです。配偶者控除には「配偶者控除」と「配偶者特別控除」の2種類があり、150万円以下に拡大されたのは配偶者特別控除のほうになります。

 配偶者の収入の所得税の課税に関しては、従来通り給与収入のみの場合、収入が年103万円を超えると他に所得控除がなければ所得税が課税されます。この点においては、150万円以下まで所得税が課税されないと誤解をされている場合が多いので注意して下さい。

 配偶者特別控除にも配偶者控除と同様の所得制限が設けられ、控除対象となる妻の収入が年201万円まで拡大されました。

 最高38万円の控除を適用できる妻の収入の上限が年150万円に引き上げられましたが、単純に世帯手取額が増えるとは限りません。例えば、社会保険には130万円の壁があり、妻自身が社会保険料を負担することになると妻の給与収入が増加しても一定額までは世帯の手取額が減少するという逆転現象が生じてしまいます。

 ここで、金額別に【年収の壁】についてまとめてみます

・100万円の壁……住民税
・103万円の壁……所得税
・106万円の壁……大企業の社会保険
・130万円の壁……社会保険
・150万円の壁……拡大した配偶者特別控除    など

業績の改善策について考えてみましょう

 赤字経営が続くと資金繰りの悪化を招き、金融機関や取引先からの信用も低下します。

 日本の中小企業で、赤字経営にもかかわらずやっていけるのは、金融機関から融資をうけられているか、社長の個人資産をつぎ込んでいるからではありませんか。赤字が続けば、金融機関も融資に応じてくれなくなり、やがて社長の個人資産も底をついてしまうでしょう。

 会社に支払能力がなくなると会社は潰れてしまいます。借入金の返済や事業資金は利益によって生み出されます。黒字化を図り、納税後の残りを内部留保して自己資金を蓄積しましょう。また、会社の経営基盤を安定させられるように業績改善に取り組みましょう。

 限界利益率は、売価を上げる事で改善されますが、売価を上げるのは難しいでしょう。

 例えば、無料になっているサービスの有料化や、値引き率を減らしてみたり、顧客の見直しなども検討してみたらいかがでしょう。

 商品・材料の仕入単価、外注加工費など、購入単価の引き下げや、単価の安いものへの切り替え、品質や機能の見直しなども検討します。また、価格・品質・納期の観点から、仕入先や仕入方法の見直しが必要かもしれません。

 固定費を削減するといっても、費用を削ったり、切りつめたりとなるとやがて無理が生じてきて長続きできません。そこで、大事に使う、無駄をやめるという事に社員全員で気持ちを切り替えて続けていけば、自然と使用料が減ってきたりします。

 売上アップについては、新たな販売ルートの開拓、新たな市場への進出、自社の商品・サービスについても、発想や視点を変えた開発など、自社の強みや特徴をもっと活かしたりすることで可能性も広がります。