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更新日 2019-07-31 | 作成日 2018-05-29

6月の特集

ランチェスター法則による必勝法とは!

 大企業が採用する戦略をまねても、中小企業では上手くいくとは限りません。小さい会社ならではの戦略としてランチェスター法則から生まれた「弱者の戦略」があります。

●業績低迷、人手不足が深刻化する中で業績を良くするには、経営プラン、経営の質を高めることが欠かせません。経営を構成する大事な要因を明確にするには難しいですが、会社は粗利益をエネルギー源に生きており、その粗利益は顧客からしか生み出されません。

●経営システムを構成するうえで大事な要因(顧客)が明確になれば、その要因に対して目標を定め、どのように運営していくのかと戦略を立てます。これこそが経営において「社長の経営術」なのです。

●具体的な手の打ち方の手掛かりとなるのが、ランチェスター法則なのです。イギリスのフレデリック・W・ランチェスターは、第一次世界大戦が勃発したのを契に、戦闘における力関係(攻撃力)はどのようにしてきまるかについて考え、科学雑誌に2つの法則を発表しました。

●【第1法則】 攻撃力=兵力数(量)×武器性能(質)
この法則は、刀や槍など戦闘できる範囲が狭い兵器を使い、敵に接近して1対1で戦ったときだけ成立します。そのため第1法則のことを「接近戦・一騎討戦の法則」と呼んでいます。兵力数が少ない方が、兵力数の多い方に包囲されて負けないために、山の険しい所や森が深い所など大軍が行動しにくい所を戦場に選ぶ必要があります。

●【第2法則】 攻撃力=兵力数2×武器性能(質)
この法則は、ライフル銃や機関銃、戦闘機など射程距離が長い兵器を使い、敵と離
れて戦ったときだけ成立します。そのため第2法則のことを「間隔戦、確率戦の法則」
と呼んでいます。射程距離が長い兵器を効率的に使うには、平地で見通しが良い所を
選び、かつ離れて戦いができる所を戦場に選ぶ必要があります。

●ランチェスターの法則は、多くの学者や経営者によって研究された結果、競争条件が有利な会社だけが実行できる戦略を「強者の戦略」、また競争条件が不利な会社が実行しなければならない戦略を「弱者の戦略」と言います。

増税分をきちんと価格転嫁しよう!


●消費税は、製造業者から卸売業者、小売業者、消費者へと製品やサービスなどが流通される段階で販売価格に転嫁され、最終的に消費者が負担する税金です。各取引段階で転嫁された消費税は、事業者が納税することになります。

●2019101日から軽減税率(8%)と経過措置が適用される場合を除いて、消費税率が10%に引上げられます。この増税分を販売価格に転嫁できないと、自社が増税分を負担することになり売上や利益が減少し、資金繰りにも悪影響を及ぼします。

●増税分の価格転嫁について、2019101日の消費税引上げ時に、すべての商品・サービスの価格を一律に引上げなければいけないといった認識を持っている業者も少なくありません。過去の税率引上げの際、税率引上げ以上の値上げとその反動減によって景気が落ち込んだことを踏まえ、政府は「消費税率の引上げに伴う価格設定について(ガイドライン)」を公表しました。

●ガイドラインでは、税率引上げ前において、需要に応じて事業者がそれぞれの判断によって柔軟に価格設定することは、事業者の自由であって何ら問題はないとしています。消費者を対象とする小売業や外食業などの事業者については、すべての商品・サービスに対して一律に増税分を価格転嫁する必要はなく、同業者との競合などを考慮し、転嫁しやすい商品など、個別に販売価格を見直すことで、商品全体で増税分を転嫁する方法でもよいとされています。例えば、増税を機に既存商品の改良や新商品開発によって、新価格を設定するなど様々な方法がありますので、自社に合った価格転嫁を考えましょう。

●事業者同士の取引について、小売事業者に製品・サービスを納入する下請事業者等が、しわ寄せを受け適正な価格転嫁ができず、増税分を負担させられるような事態を避けるため、消費税転嫁対策特別措置法によって、小売事業者や下請事業者に対して、増税分の減額や利益提供を求めることを禁止しています。

貸借対照表を把握し、社長自らが説明できますか?


●貸借対照表を見た利害関係者から、資産や負債に大きな増減があった場合、経営者がその理由を把握し、その理由について説明することができますか。経理担当者や会計事務所任せになっていないでしょうか。経営者自身が説明できないと、自社の業況や財務状況を正しく把握していないと金融機関へ不安を抱かしてしまいます。社長自身が決算書をもとに経営実績と資産や負債に大きな増減の理由を説明し、事業計画書をもとに今後の見通しを説明することは、金融機関とより良い関係を築くことにつながります。

●貸借対照表科目の増減要因は何か?

【売掛金】
売上が伸びているときほど、売掛金は増加傾向にあります。売上債権回転期間が長期化していれば、代金の回収ができていない事になります。売掛金に回収が遅延しているものや、回収不能な不良債権がないかを確認しましょう。正常な売掛金であれば、いずれ回収され問題はありませんが、回収遅れによる滞留売掛金であれば、回収サイトの確認や回収遅れの原因をはっきりさせ、運転資金の調達や、その対応策について具体的な説明が必要です。

【たな卸資産(在庫)】
売上が好調な時ほど、品切れを防ぐため在庫を多く持ってしまいます。在庫の増加が売上の増加に合った金額か、売上が減っているにもかかわらず在庫を増やしていないか、不良在庫はないかの確認をします。金融機関には、在庫の増加は売上好調によるものなのか、売れ残りかの説明をしましょう。

【固定資産】
機械の購入などの設備投資を行うことで増加します。売上拡大などの積極的な設備投資なら良いのですが、あまり収益に貢献しないような資産であれば見直しが必要です。その固定資産が、生産性の向上や収益にどれほど貢献できるのかの説明が必要でしょう。

【買掛金】
売上が伸びると仕入も増加し、買掛金の残高も増加します。買入債務回転期間が短期化している場合は、支払いサイトの短期化や現金仕入の増加が要因として考えられます。資金繰りが苦しくなることが予想されるので、今後の対策に関しての説明が必要になります。

【借入金】
借入金残高が増えている場合、短期借入金の増加は、売掛金や在庫の増加による運転資金の借入なのか、長期借入金の増加は設備投資によるものなのかを正しく把握し、返済の見通しを説明できるようにします。

【現金の増減】
過去からの利益の蓄積や損失の累積は、結果的に現金預金の増減に集約されます。経営の本質は投下資本の回収であり、利益が現金で回収されているかを確認しなければなりません。

●損益計算書のように一定期間のすべての収益と費用の対比から利益を表示して経営成績を表すのに対し、貸借対照表は創業から現在までの積み重ねが数値で表されております。そこから会社の体質、経営者の価値観や考え方が見えるとされ、まさに「経営者の顔」とも言われています。

4月の特集

4月から労働時間の把握が義務化されます!

 出勤簿への押印だけではダメになります

●事業主(経営者)は、残業時間(残業代)の算定などを行う必要があるため、労働者(従業員)の労働時間の状況を正しく把握しなければならないのですが、労働基準法上は明文化されていませんでした。しかし、4月1日から改正労働安全衛生法が施行され、従業員の健康管理を強化し、労働時間の状況を把握することが必要になりました。

●労働基準法では、労働時間・休日・深夜残業などの規定があり、経営者は労働時間を適正に把握、管理する責務があります。賃金台帳には、労働者ごとに労働日数、労働時間数、休日労働時間数、時間外労働時間数、深夜労働時間数といった事項を適正に記入するなど、労働時間の状況を客観的に把握することが求められています。

●実際は、労働時間等を適切に把握・管理できていない事が少なくないことから、平成291月に厚生労働省は労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインを策定しました。

【ガイドラインが定める労働時間の状況の把握方法とは?】
① 使用者が、自ら現認することにより確認する。
② タイムカード、ICカード、パソコン使用時間の記録等の客観的な記録。
※ 労働時間の状況を把握するとは、1日何時間働いたかということだけでなく、労働日ごとに始業時刻や終業時刻を経営者が確認・記録し、これを基に昼休みやその他の休憩なども正しく把握し、確定する必要があります。

●タイムレコーダーや勤怠管理ソフトの導入で受給できる補助金があります!
■支給対象となる取組み(いずれか1つ以上を実施すること)
① 労務管理担当者への研修
② 労働者への研修、周知・啓発
③ 外部専門家によるコンサルティング
④ 就業規則・労使協定等の作成・変更
⑤ 人材確保に向けた取組み
⑥ 労務管理用ソフトウェア、労務管理用機器、
デジタル運行記録計の導入・更新
⑦ テレワーク用通信機器の導入・更新
⑧ 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新

消費税軽減税率の実施に伴い、レジ等の対応に補助金を活用しよう

複数税率に対応したレジの導入、受発注システムの改修等を行う中小事業者を対象に、その費用の一部を国が補助する「軽減税率対策補助金」があります。

●軽減税率対策補助金は、201910月の消費税軽減税率の実施に向けて、複数税率への対応が必要となる中小企業、小規模事業者等を対象に、複数税率対応レジの導入等・受発注システムの改修等・区分記載請求書等保存方式への対応するシステムの開発・改
修・機器の導入などの費用の一部を補助する制度です。

◇複数税率対応レジ等の導入等(A型)
【補助対象】
・レジ等の本体、対応するレジ専用ソフト等の導入経費
・券売機、
・レジ付属機器(バーコードリーダー、クレジットカード決済端末、ルータなど)
・設置に要する経費(商品マスタ設定費、運搬費、設置費など)

【補助率】
・導入・改修費用の343万円未満のレジを1台のみ購入する場合は45

【補助限度額】
・レジ1台あたり20万円が上限、券売機は40万円が上限
・商品マスタの設定、機器設置に要する経費の341台あたり20万円を上限)
1事業者あたりの上限は200万円

【申請期限等】 
2019930日までに導入・改修・支払いを完了し、1216日までに申請
 (事後申請)


◇電子的受発注システム等の改修等(B型)
【補助対象】
・システムベンダー等に発注し、受発注システムを改修・入替する場合の費用
・事業者自らが、パッケージ製品・サービスを購入し、導入して受発注システムの
 改修・入替をする場合の費用

【補助率】
・費用の34(他の機能と一体的なパッケージ製品は、初期費用の12が対象)

【補助限度額】
・発注システムの場合、1,000万円が上限
・受注システムの場合、150万円が上限
・発注、受注の両方の改修・入替が必要な場合、1,000万円が上限

【申請期限等】 
・改修等を指定事業者に依頼する場合、2019930日までに改修・入替を完了することを前提に、628日までに交付申請を行い、1216日までに完了報告書を提出

・改修等を事業者自身で行う場合、2019930日までに導入・改修、支払いを完了し、1216日までに申請(事後申請)

◇区分記載請求書等保存方式などへの対応(C型)
【補助対象】
・区分記載請求書等保存方式及び適格請求書等保存方式に対する請求書等の作成・発行
するシステム等の開発・改修等を行う場合の費用
・パッケージ製品の導入に要する経費
・対応する事務処理機器の導入経費

【補助率】
・費用の34(他の機能と一体的なパッケージ製品は、初期費用の12が対象)

【補助限度額】
1事業者あたり150万円が上限

【申請期限等】 
・開発・改修等を指定事業者に依頼する場合(指定事業者による代理申請が原則)、2019
 年930日までに改修・導入して支払いを完了し、1216日までに申請
(事後申請)
・自らパッケージ製品及びサービスを購入し導入する場合は、2019930日まで
 に導入して支払いを完了し、1216日までに申請(事後申請)

資金繰りの落とし穴に要注意‼

売上が好調なのに資金繰りが苦しい、業績不振なのに資金繰りに余裕があるなど、売上の入金と、仕入や経費の支払時期にズレが起こります。

●利益と資金が一致しない⁉
一般に、売掛金の回収(入金)は、2.3ヶ月後など期間が長いことが多く、仕入・販管費の支払いは翌月払いなど、売掛金の回収期間よりも短いことがあります。このような場合、買掛金の支払いによって入金よりも先に資金が出ていくことにより、回収と支払いのズレが起こり、利益と資金が一致しなくなるのです。

●売上が急に伸びると仕入も急増し資金不足に?
特に注意が必要なのは、急激な売上の増加や落ち込みがあったときです。売上が急に増えると、仕入も急増するので資金繰りはさらに厳しくなります。その結果、運転資金を確保するために、金融機関からの借入れが必要となってしまいます。

●売上が急に落ち込むと一時的に資金に余裕が生まれる?
売上が急に落ち込んだ場合は、仕入も減少し買掛金も減少します。買掛金の支払い時に、順調に売り上げていたときの売掛金が回収されてくることで、一時的に資金繰りが良くなるということです。

●このズレから、業績の落ち込みへの対応が遅れたり、手元資金が増加したため無駄な出費をしてしまうことがあります。このように利益と資金が一致しないことを理解し、売掛金の回収を短期化したり、回収期間の短い得意先の取引を増やすなどの対策が重要です。


3月の特集

決算を機に財産の状況を確認・整理しましょう

 滞留債権や不良在庫、過大な固定資産、増加する借入金などで自社の財務体質を悪化させないよう、日頃の売掛金や在庫管理について適切に処理することが必要です。

●売掛金の回収遅れは、資金繰りの悪化を招くため滞留していないか確認し、その回収について検討します。例えば、再請求書や督促状を送るなどして回収に努める、回収が困難で債権を放棄する場合は、決算日までに「債権放棄の通知」を相手方に発送します。
また、得意先の資産状況、支払能力等から、債権の回収ができないのであれば、税
務上は貸倒損失として処理することができます。売掛金の中で、すでに倒産・破産した会社の債権が残っている場合は、その事実が生じた事業年度に処理します。

●固定資産は、売却や除却が必要か確認します。すでに存在していない廃棄済の機械や車両等が帳簿上存在したままになっている分については除却損を計上します。また、壊れてしまった機械装置や器具・備品についても、決算日までに破棄し、処分業者から取得した破棄証明書を保存しておきます。

●仮払金はあくまで一時的に使用する勘定科目なので、未精算のものはすぐに精算して、取引内容に見合った適切な勘定科目に振り替えます。立替金においても、取引先が負担すべき引落手数料や運送料、従業員の雇用保険料など会社が一時期に立て替える勘定科目ですので、確定した金額で計上して金銭によって必ず回収しましょう。

●日頃から適正に会計処理する体制が必要です。まずは、売掛金管理を徹底し得意先ごとに分析して、23か月も遅れているなんてことがないように管理しましょう。滞留債権においては、売掛金を発生日ごとに分析を行い滞留状況を確認してみましょう。

●定期的に在庫チェックをして、過剰在庫、商品の劣化・陳腐化など在庫の状態を把握し、適切に管理するためには定期的な実地たな卸が必要です。実際に倉庫などに出向き、現物の数量を数えたり、商品の状態もチェックしましょう。

●仮払金や立替金などは、月次決算時、遅くても期末の決算までには必ず精算して、貸借対照表の資産の部に仮払金等の残高が計上されないように努めましょう。

税率引き上げ後も8%の税率が適用となる取引とは

 2019年から10月1日から、消費税率が10%に引き上げられますが、一定の取引については引き上げ後も現行の8%の税率が適用される経過措置があります。

●税率引き上げの半年前までに契約すれば経過措置が適用されるもの
【請負工事等】
建設工事や大型機械の製造請負(受注生産)など、完成・引渡しまでに長期間を要するもので、3月31日までに契約し、10月1日以後に完成・引渡しとなる場合、経過措置として8%の税率が適用されます。ただし、マンションや建売住宅の販売は完成した物件を販売するだけなので経過措置の適用はありません。

【資産の貸付け(家賃、リースなど)】  
930日までの家賃 … 9月分の家賃を10月に受領した⇒8
101日以後の家賃 … 10月分の家賃を9月に前家賃として受領した⇒10

※次に該当する場合は、経過措置として8%の税率が適用されます。
① 3月31日までに契約し、930日までに貸付けを開始
② 10月1日以後も継続して貸付けている

【指定役務の提供(互助会や冠婚葬祭の施設提供など)】
葬儀や結婚式に備えて、毎月一定額を積み立てる冠婚葬祭互助会の契約について、時期をあらかじめ定めることができないことから、実際の冠婚葬祭が10月1日以降であっても、8%の税率が適用されます。
① 3月31日までに契約し、930日までに対価の全部または一部の支払いを受けること
② 契約に係る役務の提供の額が定められていること
③ 対価の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと

【有料老人ホームの入居一時金】
終身入居契約については、経過措置として8%の税率が適用されます
① 3月31日までの契約で、930日までに入居している
② 入居期間中のサービス料が一時金で支払われるもの
③ 一時金の額の変更を求めることができないもの

有給休暇の取得が義務化されます!

 労働基準法の改正によって、4月1日から年10日以上の有給休暇の取得の権利がある従業員に対して、会社は最低5日以上の有給休暇を取得させることが義務付けられます。

●現行の有給休暇制度は、6か月以上継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した従業員に対して、会社は勤続年数に応じた有休を付与しなければなりません。しかし現状は、繁忙であることや会社や同僚への遠慮、休みづらい雰囲気などでなかなか有休が取得できないでいました。改正では、年10日以上の有休を取得できる従業員に対して、そのうち5日分は必ず取得させることが会社に義務付けられました。

●対象となる従業員は、「年10日以上の有休が付与された従業員」で、正社員だけでなく、契約社員やパート・アルバイトも義務化の対象になります。なお、違反した場合は、従業員1人あたり30万円以下の罰金が科せられます。会社側は、各従業員の有休の取得状況を把握・管理するため「年次有給休暇管理簿」を作成することが義務付けられました。

●では、どのように取得させればよいのでしょうか?
【個別指定方式】
従業員ごとに有休の消化日数を定期的に確認して、5日未満になりそうな従業員がいれば、その意見を尊重し有休の取得日を指定する方法です。

【計画的付与制度の導入】
会社が計画的に有休の取得日を指定する方法で、企業の実態に合わせて様々な付与の方法があります。

① 全社一斉に特定日を有休にする
… 有休の指定日を全従業員同一の日にする方式で、製造業どの操業を止めて全従業員を休ませる会社に活用しやすい方法。

② 部署ごとに有休をとる
… 部署、班・グループ別に交替で有休を指定する方式で、流通・サービス業など定休日を増やすことが難しい企業に活用しやすい方法。
③ 個人ごとに有休取得日を決める
… 従業員一人ひとりの有休の取得日を、あらかじめ決めておく方法です。例えば、個人別に夏季・年末年始の他、誕生日休暇などを指定する。


2月の特集

外部環境の変化を分析し、新しく自社の戦略を考えよう

 AI技術、人口減少、外国人労働者など外部環境の変化が自社にどのような影響を及ぼすかを考え、経営改善の方向性を探っていくことが重要となります。

●社内で価格改定やコスト削減などを行う場合、企業内部からの発想によることが少なくありません。しかし、AI技術の進展や外国人労働者の受け入れなど外部環境が大きく変化する中、経営に及ぼす影響は技術革新により自社の商品の売上が大幅にダウンしてしまったり、人手不足により仕事の依頼を断らざるを得ない、またデフレによる消費者の低価格志向が進むなどの影響を受けてしまいます。

●外部環境には人口減少やデフレ、技術改新、制度改正などのマクロ的な環境だけでなく、自社や自店舗の商圏・周辺事情の変化、取引先や競合他社など身近なミクロ的な環境もあります。ミクロ的な要因とは、自社や自店舗がある地域の周辺人口や労働力人口の動向、周辺の世帯層はどれか、近隣に大手資本のチェーン店が出店しないかなどです。

●SWOT分析とは、自社の現状を知るために自社を取り巻く環境を外部環境と内部環境に分けて分析する手法です。市場の変化を知ることが現状分析の出発点となります。
 まずは、機会と脅威の外部環境を抽出したら、つぎに自社の強み、弱みの内部要因を洗い出します。

・機会(O)…自社にとって、有利な・安全な・役立つ市場の変化は何か?
・脅威(T)…自社にとって、不利な・危険な・負担増となる市場の変化は何か?
・強み(S)…自社が他者よりも優れた・勝てる・得意なところは何か?
・弱み(W)…自社が他者よりも劣る・負ける・苦手なところは何か?

●このようにSWOT分析を活用すれば、外部環境の機会と内部要因の強みを組み合わせて積極的攻勢に出たり、差別化戦略をとったり、弱みを改善したりと新しい戦略の検討ができるようになります。

軽減税率の導入で、請求書・レシートの記載に注意!

 2019年10月に導入される軽減税率制度によって、事業者が複数の税率を把握し区分するために、請求書等の様式変更が必要になります。

●税務申告における適正な消費税額の計算のため、売上・仕入について、8%の軽減税率が適用されるものと、10%の標準税率が適用されるものをそれぞれ集計し、区分して記帳する必要があります。

1)「区分記載請求書等保存方式」
201910月から20239月末めでの間は、従来の「請求書等保存方式」を維持しつつ、区分経理に対応するための措置として「区分記載請求書等保存方式」が導入されます。区分記載請求書には、現行の請求書等の記載事項に加えて、「軽減税率の対象品目である場合はその旨」「税率ごとに合計した対価の額(税込)」を記載しなければなりません

~現行の請求書等の記載事項~
① 発行者の氏名または名称
② 取引年月日
③ 取引内容
④ 取引金額(税込)
⑤ 受領者の氏名または名称

~区分記載請求書等の記載事項~(現行の請求書等の記載事項に加わります。) 
① 取引内容 [軽減税率の対象品目である場合はその旨]
② 取引金額(税込) [税率ごとに合計した対価の額(税込)]
(注1)上記の記載がない「区分記載請求書」を受けとった場合、受領者は、取引事実に基づいて追記することができます。
(注2)免税事業者も「区分記載請求書等」を交付することができます。

(2)「適格請求書等保存方式」
202310月から導入される「適格請求書等保存方式」では、区分記載請求書等保存方式の記載事項に加えて、「適格請求書発行事業者の登録番号」「税率ごとに合計した消費税額」などを記載します。

~適格請求書等の記載事項~(区分記載請求書等の記載事項に加わります)
① 適格請求書発行事業者の氏名または名称および登録番号
② 税率ごとに合計した対価の額(税込または税抜)および適用税率
③ 税率ごとに合計した消費税額
(注1)適格請求書は、所轄税務署長に申請し、登録を受けた「適格請求書発行事業者」のみが発行することができます。

平成30年分 所得税の確定申告の注意点

 個人事業主や不動産オーナーなどは確定申告が必要ですが、サラリーマンなどの給与所得者の大半は確定申告の必要はありません。しかし医療費控除や雑損控除を受ける人、また生命保険の一時金などの収入がある人は確定申告の必要があります。

●所得税の確定申告が必要な人
・個人事業者
・給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
・給与を2か所以上から受けている人
・一定額の公的年金を受け取っている人
・同族会社の役員やその親族などで、会社からの給与のほかに貸付金の利子、店舗・工場などの賃貸料、機械などの支払いを受けている人  
・雑損控除、医療費控除、寄附金控除の適用を受ける人  など

(1)給与収入の他に、フリーマーケットやネットオークション、または動画投稿収入など、所得金額が20万円を超える場合、雑所得として確定申告が必要です。

(2)株式の売買で得た利益や、譲渡損を翌年以降に繰り越す場合は確定申告が必要です。また、上場株式の配当所得がある場合、確定申告をすれば所得税が還付されるケースもあります。

(3)ふるさと納税の返礼品は一時所得となり、一般にふるさと納税額の30%程度が返礼品の額とみられています。一時所得は50万円までの特別控除額を差し引いて計算しますが、ふるさと納税の返礼品以外に生命保険契約の満期金など他の一時所得がある場合、合計して50万円を超えるときは確定申告が必要になります。

●個人事業者は事業収入と必要経費の範囲に注意
個人事業者の儲けは、事業による収入から必要経費を控除して計算するため、正しく計上する必要があります。収入金額の集計は発生主義で行うため、11日~1231日までの請求金額の合計が収入金額となります。1年間に回収した金額が収入金額ではないので注意が必要です。同じく仕入などの必要経費においても発生主義で集計します。

(1)事業収入になるもの
・その事業から生じた売上金額
・商品を自家用に消費したり贈与した場合
・従業員への貸付金の利子
・仕入割引やリベート収入
・空箱や作業くずなどの売却代金
・商品などの棚卸資産について支払われる保険金や損害賠償金
・金銭以外の物や権利などによる収入

(2)個人事業者が支出した費用は、販売した商品の仕入代金をはじめ、広告宣伝費、従業員給与、水道光熱費などの販売費・一般管理費や事業に必要な費用であれば業務上の経費になります。必要経費とならないものは、自分や家族の生活費、医療費、娯楽費など事業に必要のない支出です。例えば、家族で食事に行った費用、事業主自身の生命保険料、自宅部分の火災保険料、住宅ローンの利息などです。

(3)個人事業者は、店舗と住宅が併用で、自動車も事業とプライベートで使用するなど、家事費と事業上の必要経費が混在している費用があります。これを家事関連費といい、店舗併用住宅の水道光熱費や地代家賃などがこれに該当します。家事関連費も原則は必要経費にはなりませんが、業務上必要な部分を明らかにし、合理的な方法で按分できる場合は、事業に必要な部分については必要経費になります。


1月の特集

企業存続のために必要な最低限の利益を生み出すこと!


●企業の決算書(損益計算書)の利益を見て儲かっていると思いがちですが、この利益は計算上、売上から費用を差し引いた金額がプラスであるという意味で、現金が増えているという意味ではありません。

●売上も費用も全て現金で取引されていれば、利益と現金の収入・支出は一致するのですが、実際の取引では売上や仕入が掛けで取引されることが多く、利益とキャッシュ・フローが一致するとは限りません。利益に関係なく、会社の現金が不足すれば会社は破綻することになります。

●利益は企業の外部からしか獲得することはできません。お客様から商品の注文をいただき、その代金が回収できたときに、はじめて利益が生じるのです。したがって、社員が意識して利益を生み出す事に力を入れなければ、社員はただ忙しいだけで、その活動に要した時間等は、利益として回収されないことになってしまうのです。

●では、利益の役割とは?
(1)事業の妥当性を評価する
自社の商品やサービスが本当に顧客から喜ばれているか?また、自分たちの仕事を評価するための一つの指標が利益だととらえることもできるでしょう。

(2)事業活動におけるリスクをカバーする
経済活動は未来に焦点を合わせているため、リスクは避けられないものです。そして経済活動は長期間にわたるため、そのリスクに備えるには毎年、利益を出し、現金を増やし続けるように経営努力をすることが必要です。

(3)設備投資のための資金調達の手段
利益は投資資金の源泉となり、金融機関から借り入れを行う際の定量的な評価の一因となります。利益が外部資金導入の際に有利な条件を引き出す要因となることで、経営革新と事業の拡大に必要な資金調達を可能にします。

軽減税率はすべての事業者に影響!  

 2019年101日からの消費税率10%への引き上げと同時に軽減税率制度は、飲食料品を販売する事業者だけでなく、すべての事業者において日々の取引や経理にも影響があります。

●軽減税率は、飲食業や小売業、食品卸や食品製造業など飲食料品を販売する事業者だけでなく、ほとんどの事業者に影響します。事業者は飲食料品・新聞に適用される8%の税率(軽減税率)と、それ以外に適用される10%税率(標準税率)に分けて、商品管理や経理処理を行うことになります。

(1)飲食料品を販売する事業者
税率ごとに区分した請求書・領収書の発行が必要になります。経理処理では、請求書等に基づいて売上や仕入を税率ごとに区分して帳簿等に記帳しなければなりません。スーパーやコンビニのように飲食料品やお酒、日用雑貨などを販売する小売業は税率を分けた領収書・レシートを発行し、税率ごとに区分して経理処理をします。精肉店や青果店のように肉や野菜・果物だけを販売する事業者であれば、売上はすべて軽減税率の対象となるため、税率は8%のみとなります。

(2)飲食料品の販売がない事業者
商品の仕入、販売のいずれも標準税率の10%のため、軽減税率の影響はないように思われがちですが、顧客や社員用のコーヒーやお茶などの購入費や会議時のお弁当代、新聞の購読費などには軽減税率が適用されるため、これらを 経費として計上する際に、税率ごとに区分経理する必要があります。

(3) 免税事業者
軽減税率の導入後も、これまで通り消費税が課税されないため、消費税の申告や納税を行う必要はありません。しかし、取引先や納品先が課税事業者の場合、区分記載された請求書の発行を求められる場合があるため、免税事業者でも対応を検討しなければなりません。


●軽減税率の実施に備えて確認・準備すべきこと
① 軽減税率の対象品目があるかどうかを確認する。
② レジや受発注システムが軽減税率に対応するかをメーカー等に確認する。
③ 区分経理等、経理処理の変更に対応した会計システム等の導入・改修・入替が必要かどうかの確認をする。
④ 請求書・領収書の様式の変更について確認する。

平成31年1月13日から“自筆遺言”が変わります!

 遺言制度が見直され、自筆証書遺言の作成要件の緩和や、法務局での保管制度の創設が行われました。

●遺言とは、作成者の死後に内容が公開されて有効になるため、あらかじめ書き残しておく意思表示です。遺言には民法の定める一定の方式に従って作成されなければ、法律上の効果は生じません。

【遺言書の種類】
■自筆証書遺言…その全文、日付、氏名を自書し、押印した遺言
■公正証書遺言…公証役場において、証人や公証人の立ち合いのもとで作成される遺言
■秘密証書遺言…遺言者が署名、押印の上、封印した遺言書の存在のみを公証人が証明した遺言

●遺言のうち自筆証書遺言を作成するには、添付する財産目録を含め全文を自書しなければなりませんでしたが、改正後は添付する相続財産の目録については、パソコンで作成した目録や通帳のコピー、登記事項証明書など自書によらない書面を添付することによって自筆証書遺言を作成することができるようになり、作成時の負担が軽減されます。ただし、目録等のすべての頁に署名・押印が必要です。

※パソコンによる財産目録の作成は、平成31113日の施行日以降に行いましょう。施行日前のパソコンでの目録作成は、改正前の民法が適用され無効となってしまうので注意して下さい。


●法務局で遺言書が保管可能になります!
従来の民法では、遺言の保管方法について特に定めがなく、自筆証書遺言は自宅で保管されることがほとんどでした。そのため、遺言書の紛失や作成したことを忘れてしまったり、相続人によって遺言書が破棄、隠匿、改ざんされてしまうなど、相続争いに発展してしまうケースが多々ありました。このような問題に対処し、自筆証書遺言を利用しやすくするため、新たに遺言書保管法が創設され、封をしていない自筆証書遺言を法務局で保管する制度が整備されました。

●遺言者本人が、遺言書を法務局に持参し、本人確認後に遺言書とともに、画像データとして保管されます。保管後に遺言者本人はいつでもこの遺言の内容を確認したり、新たな遺言を預け直したりすることができます。

●遺言者の死亡後には、相続人や受遺者は遺言書の閲覧、データ保存された遺言書の画像情報等を証明する書面の交付を請求することができます。また、遺言書の閲覧がされた場合や遺言書の画像情報等を証明する書面が交付された場合、遺言書が保管されている旨が他の相続人に通知されます。