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更新日 2022-02-09 | 作成日 2021-01-13

8月の特集

金融機関と信頼関係を結ぶにはタイムリーな情報提供がカギ

  •  金融機関はお金を貸すところであり、貸す際の1番のポイントは、企業に返済能力があるかどうかに最大の関心があります。となると、金融機関はそこの会社の事をよく知る必要があります。
  •  例えば、売上が減ったのならばどうして減ったのか、例えば、原因が一過性なのか、はたまた企業の体質なのか、時代のニーズに合わないものを世に提供しているのか等、適時情報を流す事が事業所としては必要となります。
  •  金融機関とのおつきあいは適時に財務状況、損益状況等を克明に伝える事が金融機関とのおつきあいでは重要な事になります。
  •  例えば、決算時、書面添付にての申告をしているのであれば、この書面提出も金融機関に提出する事は信頼をより一層深める事になります。

  •  速やかなる情報提出は、速やかなる貸付と結び付きます。ただ、借り過ぎには注意しましょう。借りたものは当たり前ですが返さなければならないので、資金繰り等で資金返済計画表を作成し、無理のない借り入れをしましょう。

電子取引データの保存実務~保存方法を検討

  •  令和6年1月1日から、いよいよ電子データによる保存が完全義務化されます。保存のポイントは① 真実性② 可視性③ 検索性が確保される事です。


 では、① 真実性とは何かですが、

イ、データをタイムスタンプにて時系列的に保存する事
ロ、訂正削除履歴が残るシステムを使用する事
ハ、改ざん防止の事務処理規定を制定する事

 のいずれかを完備する事で真実性を確保させる事です。

② 可視性ですが、要は取扱い説明書を用意しましょうとの事
③ 検索性は日付、金額、取引先名がスーと直ちに画面で表れるようにする

事です。
 
 この条件をクリアする専用の保存システムを利用するのも一案です。
尚、保存期間は法人7年、個人事業者は5年となっています。

  •  令和5年10月から適格請求書発行事業者制度がスタートしますが、もちろんこの電子取引データでのやり取りがされる事になり、ある意味事務の効力化が図れる事になります。

  • 電子取引データ保存義務の中で、今までスキャンに対する手続きが緩和され、① あらかじめ役所への届出不要 ② 原本とスキャナ画像との同一性チェックの不要 ③タイムスタンプの付与期間の最長2か月と概ね7営業日以内に統一とで使いやすくなってきています。これらによって、経理事務の更なる効率化が図られています。


役員と会社の取引~貸し借りは注意しよう


 役員と会社とは、如何にマイカンパニーとはいえ、会社と役員(個人)とは別存在なので第三者の間での行われる通常の取引と同じ発想で取引を観なければなりません。
 例えば、役員と会社との間、金銭の貸し借りについても金銭消費貸借契約書を結び、貸借金額、貸借期間利息、返済条件等民法上の権利関係をしておかなければなりません。役員が会社に金を貸した時に受け取る利息は、雑所得として申告する必要があります。また、会社の方は支払った場合、損金になりますが、適正な利息でなければなりません。

 すなわち、役員が会社から利息を受け取る場合
     無利息        → 原則問題なし
     適正利息より低いとき → 原則問題なし
     適正利息より高いとき → 高い分役員給与  です

 尚、会社の社長借入は、相続時は相続財産になりますので注意してください。

  •  実務でよく問題になるケースとして、渡し切り交際費などがあります。要は、精算されない金額は役員への貸付、場合によって役員報酬とされてしまう場合があります。

  •  役員が会社に不動産を貸す場合は、もちろん契約書作成は当たり前として、用途別を明確にしておきましょう。家賃の金額だが、安い・無しは問題ないとしても、逆に高いとその分は役員給与とされますので注意しましょう。


  •  役員に支払う家賃の件で5年10月からは、役員は免税事業者なので消費税の仕入税額控除が出来なくなります。但し、令和11年9月30日までは、仕入税額相当額の80%または50%まで控除できるのでもう一つ注意をしましょう。

  •  資産の売買も注意が必要です。不動産売買契約書を結ぶのは当然として、役員が会社から低額で購入した時は、時価との差額は役員給与とされます。その役員報酬は定期同額給与でないので損金不算入かつ差額は譲渡益として法人税課税のダブルパンチです。

 
 逆に、役員が会社へ低額で譲渡した時は、譲渡価格が時価の1/2未満なら時価で譲渡したものとされ、所得税の問題が発生。会社で時価との差額は受贈益で法人税が課されダブルパンチです。
 いずれにせよ、常に時価(すなわち第三者間)で取引したと同じ状況でなければ、税の追求・介入しているとの事です。


7月の特集

電子取引データの保存実務

  •  電子取引は、添付された請求書だけでなく、ネット通販サイトからダウンロードやスクリーンショットした請求書・領収書、クレジットカードの利用明細データ、交通系ICカードの支払いデータ、ペーパーレス機能のあるFAX複合機のデータの受信もあります。従って、まずは電子取引の洗い出しを是非とも勧めします。

  • 取引先ごとの書類も下記にリストアップしたので注意の程をお願いします。
  1. 取引先
  2. 書類等の種類(請求書、領収書等)
  3. 受取部門・担当(保管部門・担当)
  4. 書類等の受取方法(PDFや紙等)
  5. 書類等の枚数

    
書類のリストアップは「見積→受注→出荷指示→売上」「契約・発注→入荷・仕入→支払」等、自分の会社に合わせ、書類等は「自社が発行した書類等」と「自社が受け取った書類等」に分けましょう。

  •  書類と言っても、会社全ての話なので、全部門、全役員、全従業員であるため、かなりの時間と人手を要します。例えば、個人で利用していたメールアドレス等などは、個人のメールアドレスからパスワードを入力してログインしないと請求書や領収書がダウンロード出来ないケースがあります。この場合、各人から電子データの形式で提出させるなど業務フローの見直しが必要となります。

  •  パスワードのかかった添付ファイルは、パスワードを解除して保存等せねばならず、電子メールに添付されたURLから請求書を受け取る場合は、ダウンロードの有効期限にも注意です。LINEやチャットの本文も、ダウンロードしたメッセージ履歴、添付ファイルなどの電子取引データを担当者から提出してもらいます。

  •  いずれにせよ、内部牽制の面で言えば、個人のLINEやチャット、メールアドレスは不正・誤謬等の発生リスクが高いので、これを機に使わないようにした方がよろしいかと考えます。

  •  自社発行の電子取引データ保存は、自社発行の請求書や領収書等の控えなども保存対象です。


逆風下での黒字化のヒントを考える
コロナ禍、ウクライナ情勢、急激な円安と不況の基となるものに不足はない状況です。

そんな中、どうやって事業を黒字化するか頭の痛い問題です。日本電産の創業者がおもしろい事を言っています。

①井戸掘り経営②家計簿経営、③千切り経営の三つの経営手法について説明しています。

①、要は井戸というものは、汲めば汲むほど湧き出てくる。これと同じように知恵やアイデアも考えれば考える程湧き出てくるとの事です。

②は家計のやりくりのように小さな節約を積み重ねていくとの事です。

最後に③は、要は物事を細かく千切りにするように分けて課題を分解し解決策を見出そうとの事です。

  •  まずは、財務情報開示です。開示する事によって、会社が今どれだけ業績悪化しているかを肌感覚で知ってもらう。次に命題として、「これだけ売上が減っているのでこれだけ努力しなければならない」、コスト面においても「こんなに無駄な金を使っている、こうしなければならない」と知らしめる。そこからスタートです。ただ、無やみやたらと減らすのではなく、生産性、効率性の観点から撤廃したコストパフォーマンスを導き出すことが肝要と思えます。要はわかりやすく、コストを半分にする事が大事です。

  •  どれだけ悪化しており、どれだけ金が足りないかを個々の従業員に対し、具体的に見せる、自分事にするのです。これだけ悪いのでこんな事、あんな事をして何とか売上を増やし、ロストを減らそうと自ら思わなければなりません。押しつけると所詮、人事(ひとごと)になります。注意しましょう。




役員と会社の取引

  •  会社法上の役員とは、一般的に取締役・監査役・会計参与等をいい、これらの役員は法人税法上も役員とされ、給与は定期同額給与や事前確定届出給与などとして、税法上の要件を満たすことで損金算入(費用とすること)が認められます。

  •  法人税法では、役員の肩書がない人でも事実上、会社の経営に関与している人は役員とみなされます。例えば、会社法上の役員ではないが、会長・相談役・顧問などの肩書きで経営に従事している人や、同族会社の従業員になってはいるが、一定の持株割合を超える株主で、経営に従事している人などが該当します。
  •  役員給与は、株主総会において決定しますが、役員給与の総額の決議でよく、各役員の給与については取締役会や取締役間の協議等で決議することができます。また、株主総会や取締役会の議事録や支給決定通知書などの書類を作成しましょう。議事録は税務上の証拠資料としてだけでなく、事業年度ごとに役員が意思を持って役員給与の額を決定し、管理、統制を行うという意味も重要な記録になります。

  •  法人税法上、損金算入が認められる役員給与は、定期同額給与や事前確定届出給与などがあります。

【定期同額給与】 → 1か月以下の一定期間ごとに同額で支給する給与で、役員ごとに個々に役員給与月額を定めます。原則、事業年度の途中に支給額の変更は認められません。
例外として、役員の職務内容の重大な変更、経営状況の著しい悪化などの理由で改定が認められる場合があります。
 
【事前確定届出給与】→ 役員に賞与を支給したいときなど、所定の時期に確定した支給額等をあらかじめ定め、それに基づいて支給する給与等のことです。その内容に関する届出を、所定の期日までに所轄税務署長に提出し、届け出た支給時期、支給額どおりに支給することで、損金算入が認められます。

  •  社長の家族や親族へ役員給与を支給するときは、税務調査で勤務実態に照らして支給額が不相当に高額でないか、勤務実態があるかをチェックされるため、勤務実態を説明できる資料等を残しておきましょう。


例えば…
① 職務権限規程
② 勤務日程表
③ 会社の組織図
④ 給与の支給方法と振込口座
⑤ 取締役会議事録  など

6月の特集

電子取引データの保存の実務


● 御存じの通り、令和4年1月1日より電子取引データは電子帳簿保存法上、電子取引データにての保存が義務付けられました。但し、現在宥恕措置として令和5年12月31日までは印刷にての保存も認められています。

● そもそも、何で延期となったかですが、かなり時間のない状況下、企業内の経理業務フロー変更やシステム対応が間に合っていないのと、この制度そのものが十分に納税者に伝わっていない事が原因として挙げられます。

● いずれにせよ、電子取引データの受け渡しが急増しており、その打ち出し資料との同一性(証拠能力)が十分に確認できないため、いっその事、紙保存を廃止し電子取引データ保存に相対的な優位性を見出し、故にこちらへ舵を切ったのが本音であろうと思います。

● 2年間制度が延長したとは言え、電子取引データは飛躍的に今後も増加していくとも考えられるので準備を怠るわけにはまいりません。では、具体的にどうすれば良いのでしょう。

イ)まずは自社の電子取引を洗い出す
ロ)その電子保存方法とその保存システムを検討する
ハ)経理の業務フローを改善する    
等が挙げられます



新型コロナ貸付の返済に如何に対応するか

● まず、借入を一本化する事を御勧めします。次に、基本的に何から返済していくかと言うと当り前ですが、利益からしか返せません。では、その利益があまりでていない場合はと言うと、固定費削減等、出費を減らし、その浮いた資金で返済に充てるとの方法です。


● 返済のみに事業の資金を集中させてしまうと、会社に余財があればよいがドンドン資金流出がなされ、いずれ倒産に至ってしまいます。これでは意味がないので、とにかく利益を出さなければなりません。例えば「ポストコロナ持続的発展計画事業」なども利用して改善計画(策定費用の一部補助有り)を行って利益を挙げる努力が必要でしょう。

● 今、コロナ禍・ウクライナ情勢で、資金繰りで困難に直面している事業所に対し、日本政策金融公庫でセーフティーネット貸付の要件が緩和されています。


ポストコロナ禍、中小企業の収益力改善策に対し力強い支援をする

● 国は経済産業省が金融庁、財務省と連携して総合的支援策「中小企業活性化パッケージ」なるものを打ち出しました。

【大きく分けて3本の柱があります】
① 収益力改善
② 事業再生
③ 再チャレンジ

① について
 「早期経営改善計画策定支援」の下、資金繰り等経営状況の把握をしながら認定支援機関から経営のアドバイス等支援を受ける等、前向きに利益が出るようにしていかなければなりません。尚、計画表を作成するに当たって、いくらか補助金が出ます。

② について
経営改善計画策定支援の下、借入金返済等苦境に立たされた事業所に対し、リスケ等新規融資等も考慮に入れ、本格的な金融支援を受ける事が必要です。

③ について
廃業時の経営者の個人破産を避けるべく「経営者保証ガイドライン」に基づく保証債務整理の申し出があった場合、金融機関は親切に対応する事が求められています。日本は1度失敗した人に対し以前は厳しい対応でしたが、今は違い再チャレンジする人に対し、適切な経営アドバイスする支援体制が出来ています。中小企業基盤整備機構などで対応しています。

5月の特集

記帳の重要性について

令和4年度税制改正で、更に記帳に関する罰則等の強化がなされました。昨今の補助金申請に、適時・適切・正確な帳簿が要請されてきた事も影響していると思います。

  • まず、会計帳簿には2つの役割があります


1つ目は、適時・適切・正確に経済現象を時系列に記帳する事に拠って、事業を俯瞰的に財産状態、損益状況が見えてき、これが自己への報告機能を果たしています。

もう1つは、何と言ってもタイムリーに経済取引を体系的に数値で持って記帳されているので、第3者に対し有効な証拠力を保持している事です。刑事訴訟法でも日々経済取引を時系列的に作成されている商業帳簿は極めて証拠力有りと認めています。わずかな経験ですが、かつて顧客の経営陣内で争いが生じ、裁判沙汰となった時、裁判所から会計帳簿(元帳)の提出を求められた記憶があります。

  • 記帳の基本は、タイムリーに5W1Hをベースに正確に記帳する事が大事です。それに拠って証拠力が増します。ちなみに、誤って記帳した場合の訂正の仕方は、前の誤った数値が見える方法(2本線を引いて訂正すると、前の数値が見える)が絶対に必要です。デジタル化しても本来の帳簿と同じで誤ったデータは残るようになっています。仮に、帳簿上で不正行為(うその情報)を働いた場合は、いわゆる青色申告制度上で優遇を受けているものは全てアウトとなります。結果的に多額の納税に至ります。

  • 時間がないので帳簿はつけられないとしても、今は市販の経理ソフトでもレギュラーな取引は登録されていたりで、かなり手間は省けます。

  • 事業復活支援金について


2021年11月~2022年3月のいずれかの月の売上高が、2018年11月~2021年3月の間の任意の同じ月の売上高を比べ、50%以上、あるいは30%以上50%未満に減少した事業者が対象となっており、個人と法人とで、そして50%以上と30%以上50%未満とで支援金の額が異なり、更に法人では年間売上高1億円以下、1億円超~5億円以下、そして5億円超と3パターンに支援金の額が分かれています。支援金額は個人で最高50万円、法人で最高250万円となっています。

ビジネスの将来について 

  • まず、ビジネスの将来はそう簡単には描けません。結局、現在行っているビジネスの延長戦でしか考えられません。となれば、現在、何が足りなく、何が不要なのかを見極めていくしかないのです。すべからく、ビジネスは元々博打の要素を含んでいます。当たれば儲けもの、はずれればすってんてん。であれば、当事者の夢、世の中の動き、そして将来(近未来)はこういうものが世の中で必要とされるとの思い込みで対応するしかありません。決まればそれに対する経営計画なり、行動計画を立案、そして実行するしかありません。コロナ禍前にコロナが発生するとはだれも思っていませんでした。ロシアが突然唐突に兄弟国である弱小のウクライナに軍事侵攻するとはだれも思っていませんでした。しかし、これら2つは直接的に経済に大打撃を与えています。ましてや、将来のビジネスなどマイナスは描けてもプラスの分は不可能に近い状況です。しかし、立案しなければ更にひどくなるとの自覚が必要ではないでしょうか。


具体的には、商圏、対象事業、対象顧客、商品やサービスの機能品質、価格、納期、販売ルート、販売方法、設備、施設、情報発信等、要は人、金、物、技術、情報をどう組み合わせるかに尽きると思います。

社会保険の適用拡大と年金制度の見直し

  • パートタイマー、アルバイトは原則として年収130万円未満であれば、社会保険の加入義務はありません。但し、従業員が500人超の企業では①年収6万円以上(
    月額8万8千円以上)②週の所定労働時間が20時間以上③雇用期間が2ヶ月以上の見込み④学生ではないとの4条件をクリアしていると社会保険の加入の義務があります。

 
今後は、令和4年10月から従業員100人超、令和6年10月からは従業員50人超が対象となります。

  • 現在、パートは130万円未満であれば社会保険の加入が義務付けられていないが、条件が従業員数100人超そして50人超となってきた場合、年収106万円未満であれば、社会保険負担はあるが、手取り分を増やそうとの動きは出てくると思います。

  • 年金受給についての改正ですが、老齢年金は65歳からとなっています。65歳未満で在職しながら年金を貰う事は可能ですが、今まで報酬(給料)と年金の合計額が1ヶ月当たり28万円を超えると年金の全部あるいは一部支給停止となっていたが、今年の4月からは支給停止の基準が47万円超(報酬と年金の合計)に緩和されました。


また、65歳以降も厚生年金に加入して70歳まで働いていても年金額は70歳になるまで改定されなかったが、今年の4月からは在職定時改定が導入され、65歳以降も働いている人の年金額に反映されるようになりました(毎年1回10月分から)。

  • 年金は65歳が受給開始だが、その前の60歳からと、その後の70歳からを75歳からにも可能となりました。65歳を基準にして、年金額は繰り上げると1ヶ月につき4%減額、繰り下げると1ヶ月につき0.7%増額となります。

  • いずれにせよ、制度としての定年延長に伴い年金も60歳以降も働いている人たちに働いた分も加味される等、高齢者の従業員が企業で働きやすくなる制度へと変わっていきます。


4月の特集

中小企業の賃上げ税制はどうなる?

  • 企業の内部留保が、9年連続で増え続けているにもかかわらず賃金は一向に増えていかないので、企業の背中を押すべく税制で賃上げをした企業には税金を安くしてあげますよとの制度の強化が図られています。

  • 賃上げ税制のポイントとして

① 雇用者全体の給与総額(雇用者給与等支給額)を前年度比で1.5%以上増加している事

この場合、給与増加額の15%を税額控除
② 同上で前年度比2.5%以上の時、給与増加額の30%を税額控除

尚、雇用者には既存の従業員(パート・アルバイト等を含む)のみならず、新規採用者も含みます。給与増加額(賞与含む)は、制度を適用する年度の雇用者給与等支給額から、前年度雇用者給与等支給額を控除した額となります。

更に、この賃金に加え、教育訓練費の増加等の上乗せ要件があります。
③ 教育訓練費を前年度比で10%以上増加の時 → 税額控除率10%上乗せ

従って、前年度比2.5%以上の賃上げと教育訓練費の前年度比10%以上増加の時の税額控除率は何と40%になります。これは、令和4年4月1日以後開始事業年度からスタートとなります。

  • では、この税制を使えない会社はどうするのかですが、賃上げ努力をしている会社向けに補助金の特別枠があります。「ものづくり補助金」というものがあり、賃上げに取り込んでいる赤字会社を対象に「回復型賃上げ・雇用拡大枠」が設けられています。


すなわち、以下3つの条件に合致した事業計画書(3~5年)を作成する必要があります。

① 事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加させる事
② 雇用者全体の給与総額を年率平均1.5%以上増加させる事
③ 事業場内最低賃金を地域別最低賃金より30円以上引き上げる事

これらを満たせば、回復型賃上げ・雇用拡大枠の補助上限額1,000万円で補助率2/3まで受けられます。

  • 又、小規模事業者が経営計画を作成して、販路開拓や生産性向上に要する経費の一部を支援する「持続化補助金」の中に成長・分配強化枠で上限200万円で補助率2/3というのがあります。


滞留売掛金への対処の仕方

  • まずは、いきなり法的手段に訴えるのではなく、交渉して粘り強く対応する事です。

そして同じ会社に債務があるのであれば相殺という方法も考えましょう。

まだ残高があるのであれば分割払いとか回収計画を考え、それを実行していく事が大事と考えます。

  • それでも回収とならなければ、最後は法的手段となります。何せ、商事債権は5年が消滅時効となっていますので、期限がこないようまめに支払いを督促したり、債務の承認をさせたり振り出しに戻すよう努力する必要があります。そこで、次に内容証明郵便を出しましょう。これは、取引内容をより明確に記し、期限内に請求に応じなければ、次の措置をとる事も忘れずに記載してください。

  • では、法的手段とは何があるのか

① 支払督促
② 少額訴訟 の2つありです。  

①について
申立人側のみの申立てにより、簡易裁判所の書記官が相手方に支払命令をする略式手続きです。

担保として

  • 書類審査のみで行われている簡易な手続き
  • 証拠の提出や裁判所に行く必要なし
  • 通常の手数料は半額


②について
60万円以下の請求に限り利用できる制度です。簡易裁判所での簡単で迅速な訴訟手続きです。

ポイントとして

  • 原則、即日判決です。

  
これら簡易手続きでケリがつかない場合は、通常の訴訟へと移行する事になります。

  •  さて最後、どうしても回収できない場合は貸倒損失の処理が頭に浮かびます。回収できない場合の経理処理として売掛金から長期滞留債権、それから以下の状態の時は貸倒損失へと進んでいきます。


①会社更生法、民事再生法の適用により債権消滅時は税務上損金算入可です。

②金銭債権金額が回収不能となった時は、税務上損金処理をする事で損金算入可です。

③一定期間取引停止後弁済がない場合、継続的な取引による売掛債権で取引停止後1年以上経過した場合。税務上、備忘価格1円を除き損金処理可です。

令和4年度の改正点、主に減価償却資産

基礎知識について

  • 減価償却とは、資産を「費用のかたまり」と考え、年月の経過に対応して費用化(損金化)していく事です。

要は、資産は支出時に一度に費用化・損金化するなとの事です。

細かく個別に観ていくと

  • 10万円未満の減価償却資産の件

 使用可能期間が1年未満で、かつ取得価格10万円未満のものは一度に費用化(損金化)できるというものです。

  • 20万円未満の減価償却資産の件

これは一括償却資産との括りで3年間均等で費用化していきます。償却資産税の対象外です。

  • 30万円未満の減価償却資産の件

これは、少額減価償却資産との「括り」で中小企業の場合、全額損金処理可です。但し、年間でTotal300万円が限度です。

尚、償却資産税の課税対象にはなるので要注意です。取得価格の扱いは、税込経理は税込で、税抜は税抜となっています。

  •  今年(4年度)の改正点は、対象資金から「貸付け」は除くとなりました。適用年月日は令和4年4月1日以降取得にする資産から対象です。


3月の特集

消費税について

令和5年10月より、インボイス制度が始まります。それに備え今から準備をしておきましょう。

  • 令和5年3月31日までに「適格請求書発行事業者」の登録をする必要のある事業者であれば登録しなければならない事になっています。次に、物の仕入時に取り交わす書類として、(請求書・納品書・領収書等)がありますが、どれをインボイスにするか決めなければなりません。決めたとした場合、今までにない「事業者登録番号」や「税率ごとの消費税額等」などを追加記入しないといけません。

  • 電子インボイスというものもあります。

  • 仕入先が適格請求書発行事業者である事の確認をする必要があります。その際、国税庁のインボイス制度適格請求書発行事業者公表サイトにて確認できます。また、請求書に記載誤りがあれば以前は追記できたが、今後は新たに再発行となります。

  • 消費税の計算方法は、インボイスに記載された消費税の積上げでの計算が原則ですが、従来通りの割戻し計算もしくは帳簿積上げ計算も可能です。

  • 今後経費を使う際、インボイス発行業者かどうかを確認する必要があります。これによって、消費税が計算されるかどうかとなります。


会計について

どうする?この売掛金‼

  • 売り上げる事によって

     ① 取引先から商品やサービスの注文を受ける
     ② 注文を受けた商品やサービスを取引先に納品する
     ③ 取引先へ代金の請求をする
     ④ 取引先から代金を回収する


営業マンはしばしば、①②③までは熱心に業務をこなすが④になるとからっきし抜けてしまう事が多い。これもしっかり仕事との認識をもって業務に勤しんでほしい。締切日・支払日・支払方法等、営業マンはしっかりと把握しておく必要があり、また請求書には〇〇〇までお振込みをお願いします。との一文が必要です。

また、売掛金が滞っている理由も吟味しなければなりません。

      ① 請求書の発送漏れや請求漏れ
      ② 営業担当者による請求書の渡し忘れ
      ③ 納品した商品、サービスに問題がある

①②の理由であれば、速やかに担当者に注意喚起をする必要があるが、③ですと会社そのものの提供するサービス、商品に問題有りとなるので抜本的解決方法を考えなければなりません。

また、先方(得意先)の検収が済んでないので未収となっている場合があります。

この場合は、経理処理上、当社の在庫として計上する必要があります。単なるミスで遅れている場合がありますが、そうでなく先方の業績が悪くなり資金繰りに窮している場合があります。

その際は、先方と連絡を取りながら分割払いとかで対応していく事が必要です。

令和4年度から変わるもの

  • 令和4年4月1日より、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられます。これからは、親の同意なしで携帯電話の購入、アパートの賃借、自動車ローンの契約が可となります。相続・贈与についても、結婚・子育て資金の一括贈与の特例で適用年齢が20歳から18歳となります。

  • 年金改正では、パートへの社会保険の加入が拡大されます。即ち、従業員が101人以上の企業で働くパート・アルバイトの短期間労働者の社会保険の加入が強制されます。即ち、週の労働時間が20時間以上、月額賃金8万円(年収約106万円)以上などの一定条件を満たせば、厚生年金保険と健康保険への強制加入(義務化)です。また、在職中の年金受給のあり方の見直しとして、60歳~64歳に支給される「特別支給の老齢厚生年金」を対象とした「在職老齢制度」の見直しが行われ、今まで賃金と年金の月額合計が28万円を超えると、年金の全部または一部が支給停止されましたが、4月からは支給停止基準が47万円へと緩和されます。また、高齢期の就労継続を早めに年金額に反映させるため、在職中の65歳以上の老齢厚生年金受給者は毎年改正されます。

  • 年金繰り下げ受給に関しても、75歳までは年金受給開始年齢を60歳から75歳の間で選択可能となります。

  • 育児・介護休業法改正があり、今年4月以降育児休暇を取りやすくするため、育休制度の周知や従業員の育休への意向を確認する必要があります。要は、育休を取りやすくしましょうとの主旨です。



2月の特集

令和3年度の個人確定申告について


令和3年度もコロナ騒ぎに終止し、経済へは強烈なダメージを与えました。そんな中、国が以下のような助成金を与えました。

  • 緊急事態宣言・まん延防止等重点措置にともない受給した一時支援金や月次支援金
  • 雇用調整助成金
  • 事業再構築補助金
  • 持続化給付金
  • 家賃支援給付金
  • IT導入補助金
  • ものづくり補助金  等


しかし、これらは業務の助成金との事で、収入に入れざるを得ません。

事業をしていく中で、日常的に以下のような支払いがなされます。これらは業務とは直接に関係していませんので、経費(必要)にはなりません。

  • 自分や家族の生活費(家族と食事に行った費用など)
  • 娯楽のための費用
  • 医療費
  • 家族に支払う家賃や給与(青色事業専従者給与を除く)
  • 事業主自身の生命保険料(保険料控除の対象)
  • 自宅部分の火災保険料
  • 自宅の住宅ローンの利息  等


ただ、そうだからと言いましても、いわゆる生活費の中に業務の必要経費たるべき支払いもあります。これらは、適正な按分方法で線引きを行います。

<家事関連費>             <按分方法>
地代家賃、損害保険料、減価償却費、    ・面積
修繕費、固定資産税、火災保険料、     ・使用度合
住宅ローンの利息  等          ・使用時間

<家事関連費>              <按分方法>
水道光熱費、電話代、           ・使用時間
インターネット接続料  等        ・使用頻度
                     ・照明器具の数

<家事関連費>             <按分方法>
事業と生活用に利用する自動車の      ・運行記録から業務
保険料、自動車税、車検費用  等     ・使用部分を明確化

給与所得者は、給与収入2,000万円以下の場合は年末調整をしてあれば、原則確定申告は必要ないが、同族会社の役員と会社との間で取引がある人はその分も含めて確定申告の必要有りです。

  • 会社に賃貸している不動産の賃貸料
  • 会社から受取った貸付金の利息収入  等



以下の所得が、20万円以下の場合は確定申告の必要なしです。満期保険金は一時所得とみなされています。

即ち、払った、貰ったの差額から50万円差し引きその後の数字を半分にした場合、仮に20万円を超えていれば個人確定申告の必要有りです。

ちなみに一時所得の範疇に入るものとして以下に列挙します。

  • 保険料負担者が受け取る生命保険や損害保険の満期保険金(一時金)、解約返戻金

  • ふるさと納税の返礼品(一般にふるさと納税額の30%程度が返礼品の額)

  • 懸賞や福引きの賞金品  等


コロナ禍で副収入のある人もいると思います。例えば、暗号資産でのもうけは一般的には雑所得となります。もちろん所得20万円を超えれば申告の必要有りとなります。

固定資産売却も然りです。この所得に対し種々の特例がありますので慎重に申告をしてください。

海外資産の運用に関しても当局の目は益々厳しくなっています。十分なる注意と慎重なる調べが必要となります。

その他所得控除があります。例えば、医療費控除足切り10万円と思っている人が大勢いますが、所得によっては10万円でない場合がありますので、慎重な対応は必要です。また、自然災害等損害に対し、雑損控除があったりでまずは調べる事が必要となります。


インボイス制度について 

令和5年10月1日からインボイス発行となり、課税事業者として登録が必要となります。個人事業者のように消費税にあまりなじみがない人でも今回はそうは行かなくなります。

即ち、免税事業者がインボイス発行業者に5年10月1日にならなかった場合、購入側はいわゆる課税仕入とならないため、結果的に購入側は納税が以前に比べ多くなります。では、課税事業者になれば現に納税が増え、手間が(税務申告)が増えてしまいます。

従って、十分にその辺のところを考慮した上で、じっくりと検討して貰いたいと思います。

では、課税事業者(適格請求書発行事業者)は、どのようにすれば課税事業者として登録できるのでしょうか。令和5年10月1日の属する期間中であれば、課税事業者選択届出を出さなくても登録日から課税事業者になれます。

コロナ禍での経済対策について

これについては、現在5つの政策があります。
<主なポイント>

  1. 事業復活支援金制度(仮称)の創設
  2. 実質無利子・無担保融資の延長
  3. 雇用調整助成金(特例措置)の延長
  4. デジタル田園都市国家の構築
  5. 認定支援機関の活用


について
岸田内閣の目玉商品です。以前の持続化給付金の岸田内閣版です。令和3年11月~同4年3月のいずれかの月の売上高減少率に応じて、5ヶ月分(11月~3月)の売上高減少額を基準に算定されます。

売上高減少率が▲30%~▲50%の場合
法人150万円を上限に売上の減少額
個人30万円を上限に売上の減少額

売上高減少額が▲50%以上
法人 250万円を上限に売上の減少額
個人 50万円を上限に売上の減少額

今回の申請は電子申請となっています。


2について
政府系金融機関による申請期限が令和3年12月末までが、令和4年3月末となりました。又、コロナ特別貸付も令和4年4月以降も継続の予定です。

3について
これにつきましても、令和3年12月までの申請期限が、令和4年3月末までとなりました。また、業況特例(売上高等が30%以上減少)、地域特例(都道府県知事の時短要請等に協力)については、現行の助成率、日額上限の特例措置が継続されます。

4について
「デジタル田園都市国家」の構築をし、要は地方を活性化させようとの経済対策です。また、中小企業等の足腰強化と事業環境整備をさせようとの試みの一環で具体的には、新分野展開、業態転換や生産性向上の設備投資、IT導入、販路拡大に支援しようとの経済対策です。

5について
認定支援機関の利用で、経営改善計画策定支援事業の立ち上げ強化支援しようとの経済対策です。即ち、認定支援機関の支援の下、経営改善計画の策定をする際にはその費用の一部を補助しようとするものです。

1月の特集

苦境に立たされている中小企業について

 リーマンショック、東日本大震災、コロナ禍と立て続けにこれでもかと経済に対し荒波が押し寄せてきています。さて、どうするか?原点に立ち戻るしかありません。要は、社会に役立つ事業体なのかどうか、提供している役務提供、商品提供が本当に社会に役立っているものかどうかを大いに吟味する必要があります。

 ここでは、分野別、職種別に今、何をすれば需要が喚起されるか、個別具体的に吟味する必要があります。要は、社会が必要とするものを個別事案として探し出す事に尽きます。一番難しいですが…。

令和411日から電子取引の電子保存が義務化される⁈

●元々、電子取引とは取引情報の受け渡しを電磁的方式で行なう取引の事を指します。この中には取引で受領、交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書、その他の書類が含まれます。

●この電子取引と称する取引ですが、意外と多くあり以下の取引が該当します。

●電子メール(メール本文や添付ファイル)で請求書や領収書等を受け取っている。
●電子請求書や電子領収書等を受け取っている。
●請求書や領収書等のデータをDVDやフラッシュメモリで受け取っている。
●インターネットサイト(アマゾン、楽天、モノタロウ等)で物品を購入している。
●ネットショップに出店し、自社の商品を顧客に販売している。
●公共料金の請求について、インターネットで確認している。
●クレジットカードの利用明細をインターネットで入手している。
●電子決済サービス(PayPay等)を利用している。
●従業員がネットで購入した旅費(JALANAや等)を立替払い精算している。
●複合機で請求書等を電磁的に受け取り、紙を出力していない。
●大手メーカーとの取引に専用のシステム(EDIシステム)を利用している。
●運送会社の請求データをインターネットで入手している。

●この電子取引は、紙での保存は正規でなく電子データでの保存が正規の保存となっています。そして、これが守られていない場合、青色申告の取消の可能性も視野に入っています。

●保存する際は以下の点に注意しなければなりません

【真実性の要件】※①から④のいずれかで行う
①電子取引データの発信側がタイムスタンプを付与
②電子取引データの受信側が速やかにタイムスタンプを付与
③訂正削除履歴が残るシステムを活用
④訂正削除の防止に関する事務処理規定を定めて運用

【可視性の要件】
①パソコンやプリンタ等の備え付け
②電子計算機処理システムの概要書を備え付けること(自社開発のプログラムを使用する場合に限る)等

【検索性の要件】
・取引年月日、取引金額や取引先名等の複数項目で検索できること

●現実的な対応としては、訂正削除の防止に関する事務処理規程を定め、フォルダを作り検索の出来る状態にする事です。検索は、連番を付して取引年月日、取引金額、そして取引先名を検索できるようにする事です。

●最後に202225年度税制改正で、事が早急すぎたと当局が思ったのかどうか、この制度は年間(令和年)延長となりました。

インボイス制度の素朴な疑問

●要するに、買手側としてインボイス(適格請求書)等や、一定の事項が記載された帳簿の保存がなければ、仕入税額控除として使えないとの事です。

●即ち、今までのように仮に正確に消費税の事が記入されていないとしても、取引自体が課税取引であれば課税仕入として出来たが、これから(令和510年月)は、インボイスというものを発行しない限り課税仕入とはならないという事になります。

●では、元々免税事業者はどういう事になるかと申しますと、インボイスを発行できないので、課税仕入にはならないとしても令和51016
年月日から年間は記載事項の要件を満たした請求書等や帳簿の保存があれば以下の割合で仕入税額控除が使えます。

「適用期間」                  「割合」
・令和5年10月1日~令和8年9月30日まで→仕入税額控除の8割
・令和8年10月1日~令和11年9月30日まで→ 仕入税額控除の5割

●では、最終消費者からの物を購入した場合はどうなる?
このケースの場合は、インボイスがなくても一定の事項が記載された帳簿の保存のみで仕入税額控除が認められます。又、次のような事業者の取引でもインボイス業者でなくても一定事項の記載のある帳簿の保存のみで仕入税額控除可です。
 
●質屋による質物の購入
●宅地建物取引事業者による建物の購入
●再生資源および再生部品の購入  など
 ※購入者の棚卸資産に該当するものに限る。

●公共交通機関利用で、33万円未満の旅客運送もインボイス保存は免除されます。この場合は、帳簿に通常の記載の他に「万円未満の鉄道料金」である旨の記載が必要です。

次のケースは帳簿保存のみでOKです

●自動販売機での購入(3万円未満)
●郵便切手を対価とする郵便サービス(郵便ポストに差し出されたものに限る)
●従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費、日当、通勤手当等